看護師の身だしなみについて、この記事で確認した公的な資料が書いているのは「爪は短く」「患者に直接触れるときは付け爪をしない」「手を洗うときは時計や指輪を外す」という、手指衛生に関わる部分です。 ネイルの色、髪色、ピアスの可否は、この記事で確認した公的な資料には書かれておらず、勤務先の施設の決まりで確かめることになります。
この記事は、厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き」と、世界保健機関(WHO)の手指衛生の資料をもとに、公的な資料が書いていることと書いていないことを分け、施設の決まりの在りかと、単発で入る日に確かめることを整理します。ご自身のネイルや髪色がその施設で認められるかは、この記事では判断しません。
この記事の結論
- 厚生労働省の介護現場の手引きは、手洗いの注意点として「爪は短く切っておく」「時計や指輪をはずす」を挙げています(1章)
- WHOの資料は、患者に直接触れるときは付け爪やエクステンションをしないこと、自然の爪は短くすることを挙げています(2章)
- マニキュアやジェルネイルの色、髪色、ピアスについて、この記事で確認した公的な資料には定めがありません(3章)
- 身だしなみの決まりは、就業規則や施設のマニュアルなどで確かめます。どこに書かれているかを確かめるのが最初です(4章)
- 単発で入る日は、ネイル・髪・アクセサリー・時計の決まりを応募前か前日までに確かめておきます(5章)
読みたい箇所から確認する
- 1. 厚生労働省の手引きが書いていること——爪と指輪
- 2. WHOの手指衛生の資料が書いていること——付け爪と爪の長さ
- 3. 公的な資料に書かれていないこと——ネイルの色・髪色・ピアス
- 4. 施設の決まりはどこに書かれているか
- 5. 単発で入る日に確かめること
- 6. タメシビで想定していること
- よくある質問
1. 厚生労働省の手引きが書いていること——爪と指輪
先に答えを置きます。厚生労働省の「介護現場における感染対策の手引き」は、職員の手洗いの注意点として、爪を短く切ることと、時計や指輪を外すことを挙げています。
手洗いの注意点
厚生労働省老健局の「介護現場における感染対策の手引き」(第3版、令和5年9月)は、「職員の手洗い・手指消毒」の中で、手洗いの注意点を並べています。身だしなみに関わるのは次の2つです。
手を洗うときは、時計や指輪をはずす
爪は短く切っておく
同じ注意点には、液体石けんを使う、ペーパータオルを使う、手を完全に乾かす、日頃から手のスキンケアを行う、といった項目も並んでいます。爪と指輪の話は、手を洗う・消毒するという手指衛生の一部として書かれています。
この手引きの対象
この手引きは、施設系・通所系・訪問系の介護サービスの職員向けの手引きです。病院やクリニックで働く場合は、その施設の感染対策のマニュアルを確かめることになります(4章)。
ユニフォームについて
手引きは、「職員は帰宅後に家族にうつさないためにも、介護施設・事業所を離れる際には、手指衛生を行い、ケア時に使用した服を着替える等、感染経路の遮断に留意する必要があります」とも書いています。髪型やアクセサリー(ピアスなど)について個別に定めた箇所は、この手引きにはありません。
この章の出典
- 厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き」第3版(令和5年9月)第Ⅰ章
2. WHOの手指衛生の資料が書いていること——付け爪と爪の長さ
先に答えを置きます。WHOの資料は、患者に直接触れるときは付け爪やエクステンションをしないこと、自然の爪は短くすることを挙げています。
WHOのパンフレット
WHOの「Hand Hygiene: Why, How & When?」(2009年8月改訂)は、手指衛生の要点として次の2つを挙げています(この記事の訳)。
原文 | 訳 |
|---|---|
Do not wear artificial fingernails or extenders when in direct contact with patients. | 患者に直接触れるときは、付け爪やエクステンションをしない |
Keep natural nails short. | 自然の爪は短くしておく |
WHOは2009年に「WHO guidelines on hand hygiene in health care」(医療における手指衛生のガイドライン)も公表しています。
書かれていること・書かれていないこと
項目 | WHOのパンフレット |
|---|---|
付け爪・エクステンション | 患者に直接触れるときはしない |
自然の爪の長さ | 短く |
マニキュア(ネイルポリッシュ) | 記載なし |
指輪・装飾品 | 記載なし |
WHOのパンフレットも、マニキュアの色や装飾品については書いていません。
この章の出典
- WHO「Hand Hygiene: Why, How & When?」(2009年8月改訂)
- WHO「WHO guidelines on hand hygiene in health care」(2009年)
3. 公的な資料に書かれていないこと——ネイルの色・髪色・ピアス
先に答えを置きます。マニキュアやジェルネイルの色、髪色、ピアス、ヘアアクセサリーについて、この記事で確認した公的な資料には定めがありません。決まりがあるとすれば、施設の側の決まりです。
項目 | 厚生労働省の介護の手引き | WHOのパンフレット | 決まる場所 |
|---|---|---|---|
爪の長さ | 短く切っておく | 短く | 公的な資料にも記載あり。施設の決まりも確かめる |
付け爪・エクステンション | 個別の記載なし | 患者に直接触れるときはしない | 公的な資料にも記載あり。施設の決まりも確かめる |
時計・指輪 | 手を洗うときは外す | 記載なし | 公的な資料にも記載あり(手を洗うとき)。勤務中に着けてよいかは施設の決まりを確かめる |
マニキュア・ジェルネイル(色・爪の表面) | 記載なし | 記載なし | 施設の決まり |
髪色 | 記載なし | 記載なし | 施設の決まり |
髪型・髪をまとめるか | 記載なし | 記載なし | 施設の決まり |
ピアス・ネックレス | 記載なし | 記載なし | 施設の決まり |
「記載なし」は、してよいという意味ではありません。公的な資料が定めていない項目でも、施設が決まりを定めている場合は、その決まりを確かめることになります。
ジェルネイルが「付け爪・エクステンション」にあたるかどうかについて、WHOのパンフレットは書いていません。この記事でも判断しません。施設の決まりで確かめてください。
4. 施設の決まりはどこに書かれているか
先に答えを置きます。身だしなみの決まりを確かめる場所として、就業規則、服装の規程、施設の感染対策のマニュアルなどがあります。どこに書かれているかを確かめることが最初の一歩です。
就業規則の作成と周知
厚生労働省は、労働基準法の定めを次のように説明しています。
条文 | 定めていること |
|---|---|
労働基準法89条・90条 | 常時10人以上の労働者を使用している事業場では、就業規則を作成し(89条)、労働者代表の意見を聴いて意見書を添え、労働基準監督署長に届け出る(89条・90条) |
労働基準法106条 | 就業規則は、労働者に周知しなければならない |
身だしなみの決まりが就業規則に書かれているか、別の規程やマニュアルに書かれているかは、施設ごとに確かめます。
確かめる場所
1. 就業規則(服務規律の章など)
2. 服装・身だしなみの規程
3. 感染対策のマニュアル(手指衛生の章)
4. 部署ごとの決まり(手術室、新生児室など、部署で違うことがある)
5. 入職時・勤務初日の説明資料部署で決まりが違うかどうかも、確かめる項目に入ります。
この章の出典
- 厚生労働省「就業規則の作成・変更・届出の義務」(労働基準法89条・90条・106条の解説)
5. 単発で入る日に確かめること
先に答えを置きます。単発で入る施設ごとに、身だしなみの決まりは違う可能性があります。応募前か前日までに、ネイル・髪・アクセサリー・時計の決まりを確かめておきます。
応募前・前日までに
1. ネイル:マニキュア・ジェルネイルをしていてよいか。爪の長さの決まり
2. 髪:髪色の決まり。まとめる必要があるか、ヘアゴムやピンの色の決まり
3. アクセサリー:ピアス・指輪・ネックレスを外す必要があるか
4. 時計:腕時計をしてよいか(ナースウォッチなどを使うか)
5. 服装:ユニフォームの貸与があるか、着替える場所はどこか決まりが分からないとき
求人票に書かれていないときは、施設の担当者か、利用したサービスに問い合わせます。たとえば次のような聞き方があります。
・「ネイルや髪色について、決まりはありますか」
・「アクセサリーと腕時計は、外しておいたほうがよいでしょうか」
・「ユニフォームはお借りできますか。着替える場所はありますか」勤務前日までの準備と持ち物は「初めての看護師単発バイト」の4章にまとめています。複数の施設を行き来するときの感染対策は「看護師が単発で複数の施設に入るときの感染対策」にまとめています。
着替えの時間が労働時間にあたるかと、単発で入る日に集合時刻と始業時刻を確かめる項目は「看護師の前残業と着替えの時間」の6章にまとめています。
6. タメシビで想定していること
タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。
服装や身だしなみの決まりを、応募前に求人で確かめられるようにすることを想定しています。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。
よくある質問
看護師はネイルをしてはいけないのですか
厚生労働省の介護現場の手引きは「爪は短く切っておく」、WHOの資料は「患者に直接触れるときは付け爪をしない」「自然の爪は短く」と書いています(1章・2章)。マニキュアやジェルネイルの色について、この記事で確認した公的な資料には定めがありません。施設の決まりで確かめてください(3章)。
ジェルネイルは付け爪にあたりますか
WHOのパンフレットは、ジェルネイルが付け爪・エクステンションにあたるかを書いていません(3章)。この記事では判断していません。施設の決まりで確かめてください。
看護師の髪色に決まりはありますか
この記事で確認した公的な資料には、髪色の定めはありません。決まりを確かめる場所として、就業規則や施設の規程などがあります(4章)。
ピアスはしてよいですか
この記事で確認した公的な資料には、ピアスの定めはありません(3章)。施設の決まりを確かめてください。
指輪や腕時計はどうすればよいですか
厚生労働省の介護現場の手引きは、手を洗うときは時計や指輪をはずす、としています(1章)。勤務中に着けてよいかは、施設の決まりで確かめてください。
単発で入るときは、どこで決まりを確かめればよいですか
求人票、施設の担当者への問い合わせ、勤務初日の説明で確かめます(5章)。応募前か前日までに確かめておきます。
まとめ
この記事で確認した公的な資料が身だしなみについて書いているのは、手指衛生に関わる部分です。厚生労働省の介護現場の手引きは「爪は短く切っておく」「時計や指輪をはずす」、WHOの資料は「患者に直接触れるときは付け爪をしない」「自然の爪は短く」としています。
マニキュアやジェルネイルの色、髪色、ピアスについては、この記事で確認した公的な資料に定めがなく、就業規則や施設のマニュアルなど、施設の決まりで確かめます。単発で入る日は、施設ごとの決まりを応募前か前日までに確かめてください。
この記事の主な一次情報
- 厚生労働省老健局「介護現場における感染対策の手引き」第3版(令和5年9月)
- WHO「Hand Hygiene: Why, How & When?」(2009年8月改訂)
- WHO「WHO guidelines on hand hygiene in health care」(2009年)
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)89条・90条・106条(厚生労働省の解説で確認)
※2026年10月9日に確認。資料は改訂されることがあります。この記事は公的な資料の紹介であり、個別の施設の決まりや、個別の方の身だしなみが認められるかについて判断を示すものではありません。賃金の相場は扱っていません。
タメシビの先行登録
タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示し、働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べます。看護師・准看護師の登録料・利用料は無料です。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、現在はLINEで先行登録を受け付けています。現時点で求人への応募を受け付けているものではありません。求人が公開されたときにお知らせを受け取りたい方は、先行登録をご利用ください。