地域包括支援センターの仕事は、高齢者や家族の相談、権利擁護、ケアマネジャーの支援、介護予防ケアマネジメントで、看護師は「保健師等」として、社会福祉士等・主任介護支援専門員等と3職種で担います。 厚生労働省の通知は、センターに保健師等・社会福祉士等・主任介護支援専門員等の3職種を置くとし、保健師に準ずる者を「地域ケア、地域保健等に関する経験のある看護師であって、高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有する者」としています。
同じ通知は、この準ずる者に准看護師は含まないと書いています。看護師なら誰でも保健師等の枠に入れるわけではなく、経験の条件があります。
この記事は、厚生労働省の通知と資料をもとに、地域包括支援センターの仕組み、職員の配置、看護師が保健師等として置かれる要件、センターの仕事、働く前に確かめることを整理します。給料や、個別の市町村の条例の違いは扱いません。
この記事の結論
- 地域包括支援センターは市町村が設置し、運営は直営が約2割、委託が約8割です(1章)
- 通知は、第1号被保険者おおむね3,000〜6,000人ごとに、保健師等・社会福祉士等・主任介護支援専門員等を各1人置くとしています(2章)
- 看護師が保健師等にあたるには、地域ケア・地域保健等の経験と、高齢者に関する公衆衛生業務経験1年以上が要ります。准看護師は含まれません(3章)
- センターは、総合相談支援・権利擁護・包括的・継続的ケアマネジメント支援・介護予防ケアマネジメントなどを3職種で担います(4章)
- 働く前に、どの職種の枠での募集か、経験の条件をどう確かめるか、直営か委託かを確かめます(5章)
読みたい箇所から確認する
- 1. 地域包括支援センターとは
- 2. 職員の配置——3職種を置く
- 3. 看護師が「保健師等」として置かれる要件
- 4. センターの仕事——4つの事業と地域ケア会議
- 5. 働く前に確かめること
- 6. タメシビで想定していること
- よくある質問
1. 地域包括支援センターとは
先に答えを置きます。地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、高齢者や家族の相談を受け、必要な支援につなぐ機関です。 運営は、市町村の直営と、法人への委託に分かれます。
厚生労働省の資料によると、令和6年4月末現在の設置数は5,451か所で、ブランチ・サブセンターを含めると7,362か所です。運営の形は、資料では次の割合です。
運営の形 | 割合(令和6年4月末) |
|---|---|
市町村の直営 | 約2割 |
委託 | 約8割 |
委託先には、社会福祉法人、社会福祉協議会、医療法人などが挙げられています。直営か委託かで、雇い主と雇用の形が変わります(5章)。
直営の場合の公務員としての採用の形は「看護師が公務員として働くには」にまとめています。
この章の出典
- 厚生労働省 老健局「地域包括支援センターについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001401860.pdf
2. 職員の配置——3職種を置く
先に答えを置きます。通知は、第1号被保険者の数がおおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師等・社会福祉士等・主任介護支援専門員等を各1人置くとしています。
通知の該当箇所は次のとおりです。
第1号被保険者の数がおおむね 3000 人以上 6000 人未満ごとに、保健師等1人、社会福祉士等1人及び主任介護支援専門員等1人
職種の枠 | 通知での呼び方 |
|---|---|
保健師その他これに準ずる者 | 保健師等 |
社会福祉士その他これに準ずる者 | 社会福祉士等 |
主任介護支援専門員その他これに準ずる者 | 主任介護支援専門員等 |
職員の配置は、市町村の条例で定められています。 例えば長久手市の資料は、条例4条1項で、第1号被保険者3,000人以上6,000人未満ごとに3職種の常勤の職員を各1人置くとしています。第1号被保険者が少ない区域については、施行規則が別の配置を定めています。実際の配置は、センターのある市町村の条例と募集要項で確かめてください。
この章の出典
- 厚生労働省 通知「地域包括支援センターの設置運営について」(平成18年10月18日。一部改正 令和7年7月17日) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001284373.pdf
- 長久手市「地域包括支援センターの職員の配置」 https://www.city.nagakute.lg.jp/material/files/group/17/6shokuin.pdf
- 介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第140条の66
3. 看護師が「保健師等」として置かれる要件
先に答えを置きます。通知は、保健師に準ずる者を「地域ケア、地域保健等に関する経験のある看護師であって、高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有する者」とし、准看護師は含まないとしています。
通知の該当箇所は次のとおりです。
地域ケア、地域保健等に関する経験のある看護師であって、高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有する者
なお、当該準ずる者には准看護師は含まないものとする。
条件を分けると、次の3つです。
条件 | 通知の言葉 |
|---|---|
資格 | 看護師(准看護師は含まない) |
経験① | 地域ケア、地域保健等に関する経験がある |
経験② | 高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有する |
どの経験が「地域ケア、地域保健等」や「高齢者に関する公衆衛生業務」にあたるかは、この記事では判断しません。 募集要項に書かれていないときは、市町村または応募先に確かめてください。
保健師・助産師・看護師の資格と業務の違いは、「保健師・助産師・看護師の違い」にまとめています。
この章の出典
- 厚生労働省 通知「地域包括支援センターの設置運営について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001284373.pdf
4. センターの仕事——4つの事業と地域ケア会議
先に答えを置きます。センターの仕事は、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントの4つの事業と、地域ケア会議などです。 通知は、3職種をはじめとする職員全員が地域の課題に対する共通認識を持つことを求めています。
厚生労働省の資料は、事業の内容を次のように説明しています。
事業 | 資料の説明 |
|---|---|
総合相談支援 | 高齢者や家族からの相談を初期段階から受け、必要なサービスにつなぐ |
権利擁護 | 成年後見制度の活用促進、高齢者虐待への対応 |
包括的・継続的ケアマネジメント支援 | 地域の介護支援専門員を支援する |
第一号介護予防支援(介護予防ケアマネジメント) | 要支援者等が自らの選択で介護予防の活動を行えるよう支援する |
地域ケア会議 | 地域の関係者が、地域づくりや政策形成を話し合う場 |
通知は、市町村が包括的支援事業を委託するときは、第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものを除く)、総合相談支援事業、権利擁護事業、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業の全てを一括して委託するとしています。
3職種の分担
通知は、職員全員が地域の課題に対する共通認識を持つことを書いていますが、どの事業をどの職種が担当するかは、センターによって違います。 看護師として入る場合は、相談、介護予防ケアマネジメント、地域の会議への参加など、担当の範囲を応募先に確かめてください。
この章の出典
- 厚生労働省 老健局「地域包括支援センターについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001401860.pdf
- 厚生労働省 通知「地域包括支援センターの設置運営について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001284373.pdf
5. 働く前に確かめること
先に答えを置きます。まず、保健師等の枠での募集か、ほかの職員としての募集かを確かめます。 枠によって、経験の条件と仕事の範囲が変わります。あわせて、経験の条件の確かめ方、直営か委託か、担当する事業の範囲を確かめると、入ってからの食い違いを避けられます。
確かめること | 理由 |
|---|---|
保健師等の枠での募集か、ほかの職員としての募集か | 枠によって、通知の経験の条件がかかるかが変わる(3章) |
経験の条件を、何で確かめるか(職務経歴、証明書など) | 「地域ケア、地域保健等」「高齢者に関する公衆衛生業務」の数え方を確かめる(3章) |
直営か委託か、委託なら委託先の法人 | 雇用の形と雇い主が変わる(1章) |
担当する事業の範囲 | 相談・介護予防ケアマネジメント・会議など、担当がセンターごとに違う(4章) |
訪問の有無と移動の手段 | 自宅を訪ねる相談がある場合の動き方を確かめる |
准看護師の場合の扱い | 保健師等の枠には含まれない(3章)。ほかの職員として募集しているかを確かめる |
応募前の確認リスト
- □ 保健師等の枠での募集か
- □ 経験の条件と、それを確かめる書類
- □ 直営か委託か、雇い主はどこか
- □ 担当する事業の範囲
- □ 訪問の有無と移動の手段
6. タメシビで想定していること
タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。
よくある質問
准看護師は地域包括支援センターで働けますか
通知は、保健師に準ずる者に准看護師は含まないとしています(3章)。保健師等の枠以外の職員として募集しているかは、応募先に確かめてください(5章)。
看護師なら、保健師の代わりになれますか
通知は、地域ケア・地域保健等の経験があり、高齢者に関する公衆衛生業務経験を1年以上有する看護師を、保健師に準ずる者としています(3章)。経験があたるかは、市町村または応募先に確かめてください。
介護支援専門員(ケアマネ)の資格は要りますか
通知の「保健師に準ずる者」の要件には、介護支援専門員の資格は入っていません(3章)。主任介護支援専門員等は、保健師等とは別の枠です(2章)。
何人の職員が置かれていますか
通知は、第1号被保険者おおむね3,000〜6,000人ごとに、3職種を各1人としています(2章)。実際の配置は、市町村の条例と募集要項で確かめてください。
単発の求人はありますか
通知が定めているのは、3職種を配置することです(2章)。直営か委託かで雇い主と雇用の形が変わるため、勤務の形は求人票で確かめてください(5章)。タメシビでどの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります(6章)。
保健師と看護師は、何が違いますか
資格と業務の違いは「保健師・助産師・看護師の違い」にまとめています(3章)。
まとめ
地域包括支援センターは市町村が設置し、運営は直営が約2割、委託が約8割です。通知は、第1号被保険者おおむね3,000〜6,000人ごとに保健師等・社会福祉士等・主任介護支援専門員等を各1人置くとしています。
看護師が保健師等にあたるには、地域ケア・地域保健等の経験と、高齢者に関する公衆衛生業務経験1年以上が要り、准看護師は含まれません。働く前に、募集の枠、経験の条件の確かめ方、直営か委託か、担当する事業の範囲を確かめてください。
この記事の主な一次情報
- 厚生労働省 通知「地域包括支援センターの設置運営について」(平成18年10月18日 老計発第1018001号・老振発第1018001号・老老発第1018001号。一部改正 令和7年7月17日)
- 厚生労働省 老健局「地域包括支援センターについて」(設置数は令和6年4月末現在)
- 介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第140条の66
※2026年10月14日に確認。法令・通知・資料は改正されることがあります。この記事は制度の紹介であり、個別の施設や勤務について判断を示すものではありません。給料、個別の市町村の条例は扱っていません。
タメシビの先行登録
タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示し、働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べます。看護師・准看護師の登録料・利用料は無料です。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、現在はLINEで先行登録を受け付けています。現時点で求人への応募を受け付けているものではありません。求人が公開されたときにお知らせを受け取りたい方は、先行登録をご利用ください。