看護師が公務員として働くのは、自治体が直接運営する病院や保健所・市役所、国の機関が直接運営する施設などで、職員として採用されたときです。 公立の名前がついていても、独立行政法人などが運営する病院では、公務員にあたる場合とあたらない場合があります。

採用の形も1つではありません。自治体では、常勤の正規職員のほかに、1会計年度の範囲で任用される会計年度任用職員(フルタイム・パートタイム)があり、どちらも地方公務員です。公務員になると、条件付採用、副業の許可、退職手当などのルールが、民間とは違う根拠で決まります。

この記事は、地方公務員法と総務省・厚生労働省の資料をもとに、公務員として働く職場、採用の形、公務員になると変わること、応募前に確かめることを整理します。給料や試験の難しさは扱いません。

この記事の結論

  • 公務員として働くのは、自治体の直営の病院・保健所・市役所、国の機関が直接運営する施設などです。独立行政法人などは、法人の種類で分かれます(1章)
  • 自治体の採用には、正規職員と会計年度任用職員(フルタイム・パートタイム)があります(2章)
  • 公務員になると、条件付採用(正規は6か月、会計年度任用職員は1か月)や副業の許可などのルールがかかります(3章)
  • 応募前に、雇い主(任命権者)、正規か会計年度任用か、任期、副業の扱いを確かめます(4章)

読みたい箇所から確認する

1. 公務員として働く職場

先に答えを置きます。看護師が公務員になるのは、国や自治体、または職員を公務員とする法人に職員として採用されたときです。 「公立」「国立」という名前だけでは決まりません。

職場の例

身分

自治体が直接運営する病院(県立・市立病院など)

地方公務員

自治体の保健所・保健センター・市役所

地方公務員

国の機関が直接運営する施設(厚生労働省の国立療養所など)

国家公務員

独立行政法人・地方独立行政法人が運営する病院

法人の種類によって、公務員にあたる場合とあたらない場合がある

厚生労働省の国立療養所の看護師募集案内は、身分を国家公務員、応募資格を「看護師免許を有する方。」と書いています。

空港・港の検疫所で働く検疫官(看護師)の応募資格は「空港の看護師」にまとめています。

独立行政法人や地方独立行政法人が運営する病院の扱いは、「看護師の副業禁止はどこまで有効?」の2章に、勤務先の種類ごとの表でまとめています。自分の身分は、辞令や雇用契約書で、誰の名前で採用されているかを見ると確かめられます。 採用する権限を持つ人を任命権者といい、知事、市長、病院事業管理者などがこれにあたります。

市役所や保健センターで働く看護職の統計と保健師の仕事は、「保健師・助産師・看護師の違い」の4章・5章にまとめています。

この章の出典

2. 採用の形——正規職員と会計年度任用職員

先に答えを置きます。自治体の看護師の採用には、常勤の正規職員と、1会計年度の範囲で任用される会計年度任用職員があります。 会計年度任用職員には、フルタイムとパートタイムがあります。

正規職員の採用について、地方公務員法17条の2は次のように定めています。

自治体

採用の方法

人事委員会を置く自治体

「競争試験によるものとする」(人事委員会規則で定める場合は選考も可)

人事委員会を置かない自治体

「競争試験又は選考によるものとする」

会計年度任用職員については、22条の2第1項が、採用は「競争試験又は選考によるものとする」と定め、2つの職員を挙げています。

区分

条文の要点

任期

正規職員(常勤)

常時勤務を要する職。採用は競争試験または選考(17条の2)

—

会計年度任用職員(パートタイム)

22条の2第1項1号:1週間の勤務時間が常勤より短い

1会計年度の範囲内

会計年度任用職員(フルタイム)

22条の2第1項2号:1週間の勤務時間が常勤と同じ

1会計年度の範囲内

総務省の資料は、会計年度任用職員の任期を「1会計年度の範囲内で、任命権者が職務の遂行に必要かつ十分な期間を定める」としています。次の年度も働けるかどうかは、自治体の運用と募集要項で確かめてください。

国の施設の採用

国の施設の看護師募集では、選考の方法が案内に書かれています。厚生労働省の国立療養所の募集案内は、「書類選考のうえ面接を実施」としています。

この章の出典

3. 公務員になると変わること

先に答えを置きます。公務員になると、採用直後の期間、副業、退職手当などのルールが、就業規則ではなく法律や条例で決まります。

項目

公務員の場合

詳しい記事

採用直後の期間

地方公務員法22条の条件付採用。正規職員は6か月、会計年度任用職員は1か月(総務省資料)

「看護師の試用期間とは」1章

副業

地方公務員は任命権者の許可が必要(地方公務員法38条)。パートタイムの会計年度任用職員は、この制限の対象外(総務省資料)。国家公務員も、国家公務員法103条・104条により許可が必要

「看護師の副業禁止はどこまで有効?」4章

退職手当

国家公務員は国家公務員退職手当法、地方公務員は各自治体の条例

「看護師の退職金」3章

職務上の義務

職務に専念する義務、信用を失墜させない義務など。総務省資料は、会計年度任用職員にも適用されるとしている

—

休職の仕組みは「看護師の休職」にまとめています。

地方公務員法22条1項は、条件付採用について次のように定めています。

職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。

単発の勤務を考えるとき

公務員の看護師が、休みの日に別の職場で働くことを考えるときは、まず副業の許可の要否を確かめます。パートタイムの会計年度任用職員は許可の対象外でも、職務に専念する義務などは残ります。 届出を求める自治体もあるため、勤務先の規則を確かめてください。

この章の出典

4. 応募前に確かめること

先に答えを置きます。雇い主(任命権者)、正規か会計年度任用か、任期、副業の扱いを確かめると、公務員かどうかと、働き方の条件が見えます。

確かめること

理由

雇い主はだれか(自治体・国・法人)

公務員にあたるかが決まる(1章)

正規職員か、会計年度任用職員か

任期、条件付採用の期間、副業の扱いが変わる(2章・3章)

会計年度任用職員なら、フルタイムかパートタイムか

副業の制限の対象かが変わる(3章)

任期と、次の年度の扱い

1会計年度の範囲で任用される(2章)

採用の方法(試験・選考・面接)

募集案内ごとに違う

応募前の確認リスト

  • □ 雇い主(任命権者)と、自分の身分
  • □ 正規職員か会計年度任用職員か、フルタイムかパートタイムか
  • □ 任期と、次の年度の扱い
  • □ 副業の許可・届出の決まり
  • □ 採用の方法

5. タメシビで想定していること

タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。

タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。

よくある質問

「国立」や「公立」の病院なら、公務員ですか

名前だけでは決まりません。 独立行政法人や地方独立行政法人が運営する病院は、法人の種類で扱いが分かれます(1章)。勤務先の種類ごとの表は「看護師の副業禁止はどこまで有効?」の2章にまとめています。

会計年度任用職員も公務員ですか

地方公務員です。 会計年度任用職員は、地方公務員法22条の2に定められた職員です(2章)。条件付採用の期間は1か月で、任期は1会計年度の範囲内です(3章)。

公務員の看護師が単発で働くことはできますか

地方公務員は任命権者の許可が、国家公務員も国家公務員法103条・104条による許可が必要です(3章)。パートタイムの会計年度任用職員は許可の対象外ですが、職務に専念する義務などは残ります。勤務先の規則を確かめてください。

刑務所の看護師は公務員ですか

刑務所などの矯正施設の看護師については、「刑務所の看護師」のよくある質問にまとめています。

試用期間と条件付採用は同じですか

別の制度です。 条件付採用は地方公務員法22条で定められています(3章)。違いは「看護師の試用期間とは」の1章にまとめています。

まとめ

看護師が公務員として働くのは、自治体の直営の病院・保健所・市役所、国の機関が直接運営する施設などで、職員として採用されたときです。独立行政法人などが運営する病院は、法人の種類で扱いが分かれます。

自治体の採用には正規職員と会計年度任用職員があり、条件付採用の期間や副業の扱いが違います。応募前に、雇い主、採用の区分、任期、副業の扱いを確かめてください。

この記事の主な一次情報

  • 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第17条の2、第22条、第22条の2、第38条
  • 国家公務員法(昭和22年法律第120号)第103条、第104条
  • 総務省「会計年度任用職員制度について」
  • 厚生労働省 国立療養所「看護師募集」

※2026年10月14日に確認。法令・資料は改正されることがあります。この記事は制度の紹介であり、個別の職場や勤務について判断を示すものではありません。給料、試験の難易度は扱っていません。

タメシビの先行登録

タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示し、働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べます。看護師・准看護師の登録料・利用料は無料です。

タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、現在はLINEで先行登録を受け付けています。現時点で求人への応募を受け付けているものではありません。求人が公開されたときにお知らせを受け取りたい方は、先行登録をご利用ください。

→ LINEで先行登録する(無料)