看護師の休職は、法律ではなく、勤務先の就業規則で決まる制度です。 厚生労働省のモデル就業規則の解説は、休職の定義や期間、復職について「労基法に定めはありません」としています。休職できる期間、休職中の給料、期間が満了したときの扱いは、まず自分の就業規則で確かめます。

休職中に給料が出ない場合は、健康保険の傷病手当金の要件に当てはまるかを確かめます。協会けんぽの場合、支給期間は支給開始から通算して1年6か月です。

この記事は、厚生労働省のモデル就業規則と手引き、協会けんぽの案内をもとに、休職の制度と、傷病手当金、退職・復職のときに確かめることを整理します。傷病手当金の金額、病気の診断や治療、休職すべきかどうかの判断は、この記事では扱いません。

この記事の結論

  • 休職は、就業規則で定める制度です。期間・給料・満了時の扱いは勤務先によって違います(1章・2章)
  • 産前産後休業・育児休業は法律にもとづく休業で、仕事が原因の病気やけがは労災保険の対象になる場合があり、休職とは別の仕組みです(3章)
  • 傷病手当金は、業務外の病気やけが・療養のため働けない・4日以上休んでいる・給与の支払いがないの4つが要件です(4章)
  • 休職中に退職する場合、退職後も傷病手当金を受けるには要件があり、退職日に出勤すると支払われません(5章)
  • 復職は、主治医の判断のあと、勤務先が可否を判断する流れが厚生労働省の手引きで示されています(6章)
  • いずれも2026年10月時点の公的資料によります

読みたい箇所から確認する

1. 看護師の休職は、法律ではなく就業規則の制度

先に答えを置きます。民間の病院・施設で働く看護師の休職は、就業規則などで定める制度です。厚生労働省のモデル就業規則の解説は、休職の定義・期間・復職について労働基準法に定めはないとしています。

厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)は、休職の条文例の解説で次のように書いています。

休職の定義、休職期間の制限、復職等については、労基法に定めはありません。

中央労働委員会のあっせん事例の資料は、休職を次のように説明しています。

「休職」とは、ある従業員について労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、使用者がその従業員に対し労働契約そのものは維持させながら労務への従事を免除することまたは禁止することである。

休職中も、勤務先との労働契約は続いています。休職の定めがある勤務先では、雇い入れのときに明示される労働条件に「休職に関する事項」が含まれます(「単発バイトに労働条件通知書はある?」3章)。

公立病院などで働く公務員の看護師は、地方公務員法などに休職の定めがあり、民間とは仕組みが違います。 公立の病院でも、運営形態によって職員の身分が異なります。 自分の身分の確かめ方は「看護師の副業禁止はどこまで有効?」の2章にまとめています。

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2. 就業規則で確かめること——期間・給料・満了時の扱い

先に答えを置きます。休職に入る条件、休職できる期間、休職中の給料、期間が満了したときの扱い、復職の手続きを、自分の就業規則で確かめます。

モデル就業規則の第9条は、休職の条文例を次の形で示しています。期間の欄は空欄で、勤務先ごとに定める前提です。

業務外の傷病による欠勤が か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき 年以内

同じ第9条の3項は、期間が満了したときの扱いの例を次のように示しています。

第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

確かめること

就業規則で見るところ

休職に入る条件

欠勤が何か月続いたら休職になるか

休職できる期間

期間の上限(勤続年数で変わるか)

休職中の給料

休職中に賃金が出るか(賃金規程に定めがある場合も)

期間が満了したとき

退職になるか、ほかの扱いがあるか

復職の手続き

診断書の提出、面談、元の部署に戻るか

休職期間の数え方

退職金・有給休暇の勤続年数に含まれるか

退職金の勤続年数に休職期間が含まれるかの確かめ方は、「看護師の退職金」の7章にまとめています。この記事は、個別の休職や、期間満了による退職が有効かを判断しません。 労働条件について相談できる窓口(総合労働相談コーナーなど)は「単発バイトに労働条件通知書はある?」の10章にまとめています。

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3. 休職と、産休・育休・労災の違い

先に答えを置きます。産前産後休業と育児休業は法律にもとづく休業で、就業規則の休職とは別の制度です。仕事や通勤が原因の病気やけがで休む場合は、労災保険の休業(補償)等給付の対象になる場合があります。

休む理由

主な仕組み

業務外の病気・けが

就業規則の休職、健康保険の傷病手当金(4章)

仕事・通勤が原因の病気・けが

労災保険の休業(補償)等給付(労働基準監督署が判断)

出産・育児

労働基準法の産前産後休業、育児・介護休業法の育児休業

労災保険の休業(補償)等給付について、福井労働局は次のように説明しています。

業務または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため働くことができず、そのため賃金を受けることができないとき、その第4日目から、休業補償給付(業務災害のとき)または休業給付(通勤災害のとき)を支給します。

最初の3日間について、厚生労働省は「業務災害の場合は事業主に休業補償を行う義務があります」としています。仕事が原因かどうかで迷うときは、労働基準監督署に相談できます。

妊娠中・産後に働くときの規定は「妊娠中・産後の看護師の単発勤務」にまとめています。

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4. 休職中の給料と傷病手当金

先に答えを置きます。休職中の給料は就業規則で決まります。給料が出ない場合、健康保険の傷病手当金の4つの要件に当てはまれば、休み始めて4日目から支給の対象になります。

この章は、協会けんぽに加入している場合の説明です。 公立病院・大学病院などの共済組合や、健康保険組合に加入している場合は、加入先の案内で確かめてください。加入している健康保険は、勤務先の担当者に確かめられます。

協会けんぽは、傷病手当金の要件を次の4つとしています。

要件

協会けんぽの説明

業務外の病気・けが

「業務外の病気やケガで療養中であること。」

働けないこと

「療養のための労務不能であること。」

4日以上休んでいること

「4日以上仕事を休んでいること。」

給与が出ないこと

「給与の支払いがないこと。」

項目

内容

支給が始まる日

「療養のために仕事を休み始めた日から連続した3日間(待期期間)を除いて、4日目から支給対象です。」

支給期間

「同一の傷病について、支給を開始した日から通算して1年6か月です。」

給与が一部出ている場合

傷病手当金から給与の支給分を減らして支給される

金額の考え方

支給開始日より前の12か月間の標準報酬月額の平均をもとに計算する

この記事では、金額の計算例は扱いません。 自分の場合の金額は、加入している健康保険に確かめてください。

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5. 休職中に退職するとき

先に答えを置きます。休職中に退職したあとも傷病手当金を受けるには、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があることなどの要件があります。退職日に出勤すると、退職後の傷病手当金は支払われません。

協会けんぽは、退職後(資格喪失後)も傷病手当金を受ける要件として、次の2つを挙げています。

  • 「被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間」があること
  • 「資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。」

あわせて、退職日に出勤すると、資格喪失後の傷病手当金は支払われないとしています。退職日のあいさつなどで出勤を予定している場合は、先に加入している健康保険に確かめてください。

退職を申し出るときに条文が定めていることは「看護師を辞めたいと思ったとき」の5章に、退職後に失業保険を受けながら働くときの扱いは「看護師が失業保険の受給中に単発で働くとき」にまとめています。

退職するときの手続きは「看護師の退職手続き」にまとめています。

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6. 復職までの流れ

先に答えを置きます。厚生労働省の手引きは、復職までを5つのステップで示しています。主治医の判断のあとに、勤務先が復職の可否を判断し、復職後もフォローを続ける流れです。

厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」は、次の5つのステップを示しています。

  1. 病気休業開始及び休業中のケア
  2. 主治医による職場復帰可能の判断
  3. 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
  4. 最終的な職場復帰の決定
  5. 職場復帰後のフォローアップ

手引きは、主治医の診断書は病状の回復の程度で職場復帰の可能性を判断している場合があるとして、業務ができる状態まで回復しているかは産業医などが確かめる流れを示しています。正式な復職の前に「試し出勤」の制度を設けている勤務先もあります。

厚生労働省の「こころの耳」の社会保険労務士の回答は、試し出勤で業務に従事して賃金が支払われると、傷病手当金が支給されない場合があるとしています。試し出勤の扱いは、勤務先と加入している健康保険に確かめてください。

心身の不調について相談したいときは、厚生労働省の「こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/)に相談窓口の案内があります。

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7. 休職中に確かめておく手続き

先に答えを置きます。休職中も、勤務先との連絡の窓口と、傷病手当金の申請の流れを確かめておきます。2026年は看護師の業務従事者届の届出の年で、都道府県の案内では休職中でも雇用関係があれば対象です。

協会けんぽ石川支部の案内は、傷病手当金支給申請書に、事業主の証明と療養担当者(医師等)の証明を受けて提出するよう案内しています。

確かめること

見るところ・聞き方

勤務先との連絡の窓口

「休職中の連絡は誰にすればよいですか」

傷病手当金の申請

「申請書の事業主の証明は、どなたにお願いすればよいですか」

休職期間の終わり

「休職期間はいつまでですか。満了の前に何を出せばよいですか」

業務従事者届

都道府県の案内では、12月31日現在で休職中でも雇用関係があれば対象(看護師の業務従事者届 4章)

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8. タメシビで想定していること

タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。

休職中に単発で働くことは、この記事ではおすすめしません。 傷病手当金は「療養のための労務不能」が要件で(4章)、勤務先の就業規則に休職中の就労の定めがある場合もあります。働けるかどうかは、主治医・勤務先・加入している健康保険に確かめてください。

復職したあとに、体調と相談しながら働く日を自分で決めたいときの選択肢の1つとして、タメシビを準備しています。タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。

よくある質問

看護師の休職期間はどのくらいですか

勤務先の就業規則で決まります。 労働基準法に休職期間の定めはなく、モデル就業規則の条文例でも期間は空欄です(2章)。

休職中に給料は出ますか

就業規則・賃金規程で決まります。 給料が出ない場合は、傷病手当金の要件に当てはまるかを確かめてください(4章)。

休職期間が満了したらどうなりますか

就業規則の定めによります。 モデル就業規則の条文例は「休職期間の満了をもって退職とする」としています(2章)。自分の就業規則の定めを確かめてください。

傷病手当金はいくらもらえますか

この記事では金額は扱いません。 協会けんぽは、支給開始日より前の12か月間の標準報酬月額の平均をもとに計算するとしています(4章)。

休職中に退職しても、傷病手当金は受けられますか

要件を満たせば受けられます。 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があることなどが要件で、退職日に出勤すると支払われません(5章)。

休職中に単発で働いてもいいですか

この記事では判断しません。 傷病手当金は「療養のための労務不能」が要件です。主治医・勤務先・加入している健康保険に確かめてください(8章)。

休職に診断書は必要ですか

休職に入るときの手続きは、就業規則の定めによります。 傷病手当金の申請には、申請書に療養担当者(医師等)の証明を受けます(7章)。復職のときは、主治医の判断が手引きのステップの1つです(6章)。

うつ病などの心の不調でも休職できますか

休職の対象になる理由は就業規則で決まります。 モデル就業規則の条文例は「業務外の傷病」としています(2章)。仕事が原因の場合は、労災保険の対象になる場合があります(3章)。

まとめ

看護師の休職は、法律ではなく就業規則で定める制度です。休職に入る条件、期間、休職中の給料、期間が満了したときの扱い、復職の手続きは、自分の就業規則で確かめます。

休職中に給料が出ない場合は、傷病手当金の4つの要件に当てはまるかを確かめます。協会けんぽの場合、支給期間は通算1年6か月です。休職中に退職するときは、退職後の継続給付の要件と、退職日に出勤しないことを確かめてください。復職は、主治医の判断のあと、勤務先が可否を判断する流れで進みます。

この記事の主な一次情報

  • 厚生労働省労働基準局監督課「モデル就業規則」(令和7年12月版)
  • 協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
  • 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(平成24年7月改訂)
  • 福井労働局・厚生労働省の労災保険の休業(補償)等給付の案内
  • 中央労働委員会 あっせん事例「傷病休職期間の賃金の支払い」

※2026年10月13日に確認。制度や案内は改正されることがあります。この記事は制度の紹介であり、個別の休職・退職・給付について判断を示すものではありません。傷病手当金の金額、病気の診断や治療は扱っていません。

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