業務従事者届は、看護の業務に従事している保健師・助産師・看護師・准看護師が、2年ごとに12月31日現在の状況を就業地の都道府県知事に届け出るものです。 保健師助産師看護師法33条が定めていて、期限は翌年の1月15日です。
保健師助産師看護師法施行規則33条1項は、届出の年を「昭和五十七年を初年とする同年以後の二年ごとの各年」と定めています。令和8年(2026年)はこれにあたり、令和8年12月31日現在の内容を、令和9年1月15日までに届け出ます。前回は令和6年12月31日現在の届出でした。
この記事は、条文と都道府県の案内をもとに、届出の時期・対象・方法と、休職中や勤務先が複数あるときの扱い、ナースセンターの「届出制度」との違いを整理します。ご自身が届出の対象になるかは、この記事では判断しません。迷う場合は、就業地の都道府県・保健所に確認してください。
この記事の結論
- 業務従事者届は、2年ごとの年の12月31日現在の氏名・住所などを、翌年1月15日までに、就業地の都道府県知事に届け出るものです(保健師助産師看護師法33条)。違反には罰則の定めがあります(1章)
- 令和8年(2026年)は届出の年です。令和8年12月31日現在の内容を、令和9年1月15日までに届け出ます(2章)
- 届出は、厚生労働省の医療従事者届出システムによるオンラインと、紙(保健所に提出)の2つの方法があります。受付期間は都道府県が案内します(3章)
- 都道府県の案内では、休職中でも雇用関係があれば対象、勤務先が複数あるときは主に従事している施設の分を記入とされています(4章)
- ナースセンターの届出制度(とどけるん)は、別の法律にもとづく努力義務の届出です(6章)
読みたい箇所から確認する
- 1. 業務従事者届とは——保健師助産師看護師法33条
- 2. 令和8年(2026年)は届出の年
- 3. 届出の方法——オンラインと紙
- 4. 対象になる人——休職中・掛け持ち・単発のとき
- 5. 届け出た内容は何に使われるか
- 6. ナースセンターの届出制度(とどけるん)との違い
- 7. タメシビで想定していること
- よくある質問
1. 業務従事者届とは——保健師助産師看護師法33条
先に答えを置きます。業務従事者届は、保健師助産師看護師法33条が定める届出で、業務に従事している看護職が2年ごとに出すものです。
条文
保健師助産師看護師法33条は、次のように定めています。
業務に従事する保健師、助産師、看護師又は准看護師は、厚生労働省令で定める二年ごとの年の十二月三十一日現在における氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年一月十五日までに、その就業地の都道府県知事に届け出なければならない。
項目 | 条文の書き方 |
|---|---|
届け出る人 | 業務に従事する保健師、助産師、看護師又は准看護師 |
時点 | 二年ごとの年の十二月三十一日現在 |
内容 | 氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項 |
期限 | 当該年の翌年一月十五日まで |
届出先 | その就業地の都道府県知事 |
届出先は「住所地」ではなく「就業地」の都道府県知事です。住んでいる県と働いている県が違う場合は、働いている県に届け出ます。
罰則の定め
同法45条2号は、33条の規定に違反した者に罰金を定めています。届出は義務として書かれています。
この章の出典
- 保健師助産師看護師法 33条・45条(法令翻訳データベース掲載の日本語原文で確認)
2. 令和8年(2026年)は届出の年
先に答えを置きます。届出の年は施行規則で2年ごとと定められ、令和8年はその年にあたります。令和8年12月31日現在の内容を、令和9年1月15日までに届け出ます。
回 | 時点 | 期限 |
|---|---|---|
前回 | 令和6年(2024年)12月31日現在 | 令和7年(2025年)1月15日 |
次回 | 令和8年(2026年)12月31日現在 | 令和9年(2027年)1月15日 |
前回、大阪府は受付期間を次のように案内していました。
方法 | 前回の受付期間(大阪府の例) |
|---|---|
オンライン | 令和6年11月18日〜令和7年1月15日 |
紙 | 令和7年1月6日〜1月15日 |
令和8年の受付期間は、都道府県の案内で確認してください。前回の大阪府の例では、オンラインは12月31日より前から受け付けていました。
この章の出典
- 保健師助産師看護師法 33条、同法施行規則 33条1項
- 福岡県「業務従事者届」の案内(2026年10月1日更新。令和8年12月31日現在・令和9年1月15日まで)
- 大阪府「保健師、助産師、看護師、准看護師業務従事者届」(前回の受付期間)
3. 届出の方法——オンラインと紙
先に答えを置きます。届出は、厚生労働省の医療従事者届出システムによるオンラインか、紙を保健所に提出する方法のどちらかです。
方法 | 都道府県の案内 |
|---|---|
オンライン | 厚生労働省の「医療従事者届出システム」で届け出る(滋賀県・大阪府) |
紙 | 届出様式を保健所で入手するかダウンロードして印刷し、勤務場所を所管する保健所に提出する(滋賀県) |
大阪府は、届出先を就業地の都道府県、従事先を所管する保健所(大阪市・堺市は各保健センター)と案内しています。提出先の窓口は都道府県によって違うことがあるため、就業地の都道府県の案内を確認してください。
宮城県は、オンライン届出の詳細について、厚生労働省の専用ページにあるリーフレット・マニュアル・よくある質問を参照するよう案内しています。
勤務先からの案内がない場合
条文の主語は「業務に従事する保健師、助産師、看護師又は准看護師」です(1章)。勤務先から案内があるかどうかにかかわらず、届出の時期が近づいたら、就業地の都道府県の案内を確認してください。
届出で記入すること
青森県の記入要領(令和6年)は、次の項目を挙げています。
区分 | 記入する項目 |
|---|---|
本人 | 氏名、生年月日・性別、現住所、メールアドレス |
免許 | 持っている免許(保健師・助産師・看護師・准看護師)、登録番号、登録年月日 |
仕事 | 主たる業務、業務従事場所(主たる就業施設)と、その施設名・所在地など |
働き方 | 雇用形態(正規雇用・非正規雇用・派遣)、勤務形態(フルタイム・短時間)、短時間の場合の常勤換算、従事期間、従事を始めた理由 |
その他 | 特定行為研修の修了状況(看護師のみ)など |
免許の登録番号と登録年月日は、免許証で確認できます。免許証の扱いは「看護師免許証の扱い」にまとめています。
記入で迷うところ
項目 | 青森県のQ&A(令和6年)の書き方 |
|---|---|
氏名 | 籍に登録されている氏名を正確に記入 |
住所 | 現住所を記入(住民票と異なってもよい) |
登録年月日 | 免許証に記載。再交付の場合は裏面を確認 |
免許を複数持っている | 複数の資格の登録番号・登録年月日を記入 |
看護の仕事と他の職種を兼ねている | 看護業務と関係がある場合は届出が必要 |
この章の出典
- 滋賀県「業務従事者届について」
- 青森県「業務従事者届 記入要領(令和6年)」「業務従事者届Q&A(令和6年)」
- 大阪府「保健師、助産師、看護師、准看護師業務従事者届」
- 宮城県「保健師・助産師・看護師・准看護師従事者届についてのご案内」
4. 対象になる人——休職中・掛け持ち・単発のとき
先に答えを置きます。都道府県の案内では、休職中でも雇用関係があれば対象、勤務先が複数あるときは主に従事している施設の分を記入するとされています。単発の勤務だけで働いている場合の扱いは、就業地の都道府県に確認してください。
青森県のQ&A(令和6年)が示している扱い
状況 | 青森県のQ&Aの書き方 |
|---|---|
休職中 | 12月31日現在、産前産後休暇、育児休業、介護休業等で休職している方や、長期研修中の方など、雇用関係がある方は対象者となります |
勤務先が複数 | 複数の場所で勤務している場合は、主に従事している施設の分についてのみ記入して届出をしてください |
派遣 | 記入要領の「雇用形態」に派遣の選択肢がある(記入要領) |
単発・掛け持ちで働いている場合
働き方 | 確認すること |
|---|---|
常勤・パートの勤務先があり、単発も入れている | 主に従事している施設はどこか(上の表) |
複数の単発の勤務先で働いている | 主に従事している施設をどう考えるか |
12月31日の時点で、単発の勤務の予定だけがある | 届出の対象になるか |
派遣で働いている | 「業務従事場所」に派遣先と派遣元のどちらを書くか |
条文は「業務に従事する」看護師などとしか書いていません(1章)。1日単位の勤務だけで働いている場合に、どの施設を書くか、対象になるかは、就業地の都道府県・保健所に確認してください。
掛け持ちで働くときの労働時間の通算と労災の考え方は「看護師のダブルワーク(掛け持ち)」にまとめています。
この章の出典
- 青森県「業務従事者届Q&A(令和6年)」
5. 届け出た内容は何に使われるか
先に答えを置きます。業務従事者届の数字は、厚生労働省の「衛生行政報告例(就業医療関係者)」として集計・公表されています。
厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」は、利用上の注意で、数値を「就業地の都道府県知事に届出のあった数値等を取りまとめたもの」と説明しています。令和6年末の就業者数は次のとおりです。
資格 | 就業者数(令和6年末) |
|---|---|
保健師 | 63,536人 |
助産師 | 38,721人 |
看護師 | 1,363,142人 |
准看護師 | 233,022人 |
衛生行政報告例(就業医療関係者)の就業者数は、この届出をもとに取りまとめられています。
この章の出典
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
6. ナースセンターの届出制度(とどけるん)との違い
先に答えを置きます。業務従事者届は「働いている看護職」の義務、ナースセンターの届出制度は「離職したときなど」の努力義務で、根拠の法律も届出先も違います。
比べる点 | 業務従事者届 | ナースセンターの届出制度(とどけるん) |
|---|---|---|
根拠 | 保健師助産師看護師法 33条 | 看護師等の人材確保の促進に関する法律 16条の3 |
誰が | 業務に従事する看護職 | 病院等を離職した場合などの看護職 |
義務の強さ | 義務(罰則の定めあり) | 努力義務(届け出るよう努めなければならない) |
時期 | 2年ごとの12月31日現在、翌年1月15日まで | 離職した場合など |
届出先 | 就業地の都道府県知事 | 都道府県ナースセンター |
ナースセンターへの届出は、こちらの制度です。届出制度の中身と届け出る方法は「ブランク看護師の復職と単発勤務」の3章にまとめています。
この章の出典
- 保健師助産師看護師法 33条
- 看護師等の人材確保の促進に関する法律 16条の3第1項(「ブランク看護師の復職と単発勤務」で照合済み)
7. タメシビで想定していること
タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。
業務従事者届は、看護職本人が就業地の都道府県知事に届け出るものです。届出の対象になるか、どの施設を書くかは、就業地の都道府県・保健所に確認してください。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。
よくある質問
看護師の業務従事者届とは何ですか
保健師助産師看護師法33条にもとづき、業務に従事する看護職が、2年ごとの12月31日現在の氏名・住所などを、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事に届け出るものです(1章)。
次の業務従事者届はいつですか
令和8年(2026年)12月31日現在の内容を、令和9年1月15日までに届け出ます。受付期間は都道府県が案内します(2章)。
パートでも届け出る必要がありますか
条文は「業務に従事する」看護職と書いています(1章)。青森県の記入要領(令和6年)は、雇用形態に非正規雇用・派遣、勤務形態に短時間の選択肢を設けています(3章)。ご自身が対象になるかは、就業地の都道府県・保健所に確認してください。
育休中ですが、届け出る必要がありますか
青森県のQ&Aは、12月31日現在、育児休業などで休職していても雇用関係がある方は対象としています(4章)。
業務従事者届には何を記入しますか
青森県の記入要領(令和6年)は、氏名・生年月日・住所、免許の登録番号と登録年月日、主たる業務と従事場所、雇用形態・勤務形態などを挙げています(3章)。
住所は住民票の住所を書くのですか
青森県のQ&Aは、現住所を記入し、住民票と異なってもよいとしています(3章)。
掛け持ちしている場合は、どの勤務先を書きますか
青森県のQ&Aは、複数の場所で勤務している場合は、主に従事している施設の分についてのみ記入するとしています(4章)。
業務従事者届とナースセンターの登録は同じですか
違います。業務従事者届は保健師助産師看護師法33条の義務、ナースセンターの届出制度は人材確保法16条の3の努力義務で、届出先も違います(6章)。
まとめ
業務従事者届は、保健師助産師看護師法33条にもとづき、業務に従事する看護職が2年ごとの12月31日現在の状況を、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事に届け出るものです。令和8年(2026年)は届出の年で、期限は令和9年1月15日です。
届出は医療従事者届出システムによるオンラインか、紙で保健所に提出します。都道府県の案内では、休職中でも雇用関係があれば対象、勤務先が複数あるときは主に従事している施設の分を記入するとされています。単発の勤務だけで働いている場合は、就業地の都道府県・保健所に確認してください。
この記事の主な一次情報
- 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)33条・45条、同法施行規則 33条1項
- 青森県「業務従事者届Q&A(令和6年)」「業務従事者届 記入要領(令和6年)」
- 大阪府「保健師、助産師、看護師、准看護師業務従事者届」
- 滋賀県「業務従事者届について」
- 宮城県「保健師・助産師・看護師・准看護師従事者届についてのご案内」
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
※2026年10月6日に確認。法令と届出の手続きは変わることがあります。この記事は制度の紹介であり、個別の方が届出の対象になるかについて判断を示すものではありません。賃金の相場は扱っていません。
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