「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」という名前で募集されている看護師の求人は、同じ名前でも中身が大きく分かれます。看護職が施設の職員として介護サービスを提供する場合もあれば、健康管理が中心で、医療は外部の訪問看護が担っている場合もあります。
分かれ目は、その施設が「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているかどうかです。この記事では、施設の種類の見分け方、看護職の配置がどう定められているか、特養・老健との違い、そして単発で入る日に確認したいことを整理しました。
この記事の結論
- 看護職の役割は、その施設が特定施設入居者生活介護の指定を受けているかどうかで大きく変わります。応募前に確認する最初の項目はここです(2章)。
- 介護付(特定施設)の看護職の数は省令に定めがありますが、住宅型・健康型については「入居者の健康管理に必要な数」とされており、人数の基準そのものがありません(2章)。
- 特養・老健と違い、特定施設の人員基準には医師の規定がありません。その代わり、協力医療機関をあらかじめ定めておくことが省令で求められています(3章)。
- 施設の種類は、応募前に公的な情報提供システムで調べられます(5章)。
読みたい箇所から確認する
- 1. 「有料老人ホーム」「サ高住」は建物の名前ではなく、制度の名前
- 2. 看護職の位置づけは「特定施設の指定」で決まる
- 3. 特養・老健との一番の違いは「配置医師がいないこと」
- 4. 1日の流れ
- 5. 応募前に、施設の種類を公的なサイトで調べる
- 6. 医療的ケアと、外部の訪問看護との線引き
- 7. 求人票で確認したいこと
- 8. 「大変」と言われる理由と、向いている場合
- 9. タメシビで想定していること
- よくある質問
1. 「有料老人ホーム」「サ高住」は建物の名前ではなく、制度の名前
この2つは、根拠となる法律も、行政の手続きも別です。
有料老人ホームは、老人福祉法29条1項に定義があります。
有料老人ホーム(老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるもの(以下「介護等」という。)の供与(略)をする事業を行う施設であつて、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、あらかじめ、その施設を設置しようとする地の都道府県知事に、次の各号に掲げる事項を届け出なければならない。
かみくだくと、老人を入居させて介護・食事の提供などを行う施設のうち、特養などの老人福祉施設に当たらないものが有料老人ホームです。設置には、都道府県知事への届出が必要とされています。
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)に基づく登録の制度です。同法5条は、状況把握サービス(入居者の心身の状況を把握し、その状況に応じた一時的な便宜を供与するサービス)と生活相談サービス(入居者が日常生活を支障なく営むことができるようにするために入居者からの相談に応じ必要な助言を行うサービス)を提供する高齢者向けの賃貸住宅等について、都道府県知事の登録を受けられることを定めています。
有料老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅 | |
|---|---|---|
根拠法 | 老人福祉法29条 | 高齢者住まい法5条〜 |
行政の手続き | 届出 | 登録 |
契約の性格 | 施設への入居 | 賃貸借契約が基本(利用権方式の住宅もある) |
看護職の位置づけ | 施設の種類による(2章) | 状況把握サービスの担い手のひとつ |
住宅として登録されたサ高住が、あわせて有料老人ホームに該当する場合もあります。名前だけでは中身が決まらない、というのがこの分野の前提です。
この章の出典
- 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133
- 高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第5条・第7条 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000026
2. 看護職の位置づけは「特定施設の指定」で決まる
看護師の仕事内容が最も大きく変わるのが、この点です。
介護付(特定施設入居者生活介護の指定あり)
介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームは、介護サービスを施設の職員が提供します。厚生労働省の類型の説明では、次のように整理されています。
介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能です。(介護サービスは有料老人ホームの職員が提供します。特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできません。)
この場合の看護職員の数は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)175条1項2号に定めがあります。
二 看護師若しくは准看護師(以下この章において「看護職員」という。)又は介護職員
イ 看護職員及び介護職員の合計数は、常勤換算方法で、要介護者である利用者の数が三又はその端数を増すごとに一以上であること。
ロ 看護職員の数は、次のとおりとすること。
(1)利用者の数が三十を超えない指定特定施設にあっては、常勤換算方法で、一以上
(2)利用者の数が三十を超える指定特定施設にあっては、常勤換算方法で、一に利用者の数が三十を超えて五十又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上
#### 小規模な介護付ホームは、根拠となる省令が変わる
上の175条は、都道府県が指定する特定施設の基準です。入居定員が小規模な介護専用型の特定施設は「地域密着型特定施設入居者生活介護」として市町村が指定し、従業者の員数は別の省令(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準。平成18年厚生労働省令第34号)の第110条・第111条に置かれています。応募先が小規模な介護付ホームの場合は、こちらの基準が適用されます。
#### 常勤換算の読み方
ここでも「常勤換算方法」で定められている点に注意が必要です。常勤換算の数字は、その日その時間に何人いるかを示すものではありません。この読み方は「介護施設(特養・老健)の看護師の仕事内容」の3章で整理しています。
#### 「特定施設」は有料老人ホームだけではない
特定施設入居者生活介護の指定を受けられるのは、有料老人ホームだけではありません。厚生労働省の資料は、特定施設の対象となる施設を「① 有料老人ホーム ② 軽費老人ホーム(ケアハウス) ③ 養護老人ホーム」とし、サービス付き高齢者向け住宅については「『有料老人ホーム』に該当するものは特定施設となる」としています。ケアハウスや養護老人ホームの求人を見ている場合も、この章の考え方が当てはまります。
住宅型有料老人ホーム(特定施設の指定なし)
厚生労働省の類型の説明では、住宅型有料老人ホームは次のように整理されています。
生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能です。
特定施設の指定を受けていない有料老人ホームについては、厚生労働省老健局長通知「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」が、職員の配置の考え方を示しています。看護職員についての記載は次のとおりです。
看護職員については、入居者の健康管理に必要な数を配置すること。ただし、看護職員として看護師の確保が困難な場合には、准看護師を充てることができる。
「必要な数」とあるだけで、人数の基準はありません。 看護職を配置していない住宅型有料老人ホームもあります。求人が出ている以上その施設には看護職の枠があるということですが、何人体制なのかは施設ごとに確認するほかありません。
健康型有料老人ホーム
同じ別表では、健康型は次のように整理されています。
食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければなりません。
介護が必要になった段階で退去する前提の類型です。看護職員の配置の考え方は、住宅型と同じく上記の指導指針によります。
サ高住
サ高住の登録基準を定める省令(国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則)11条(状況把握サービス及び生活相談サービスの基準)は、状況把握サービス・生活相談サービスを提供する者について定めています。事業者が医療法人・社会福祉法人や介護保険法に基づく指定事業者等でない場合、そのサービスに従事する者として挙げられているのは、医師、看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者です。
つまり、看護師はサ高住のサービスの担い手として省令に挙げられていますが、看護師でなければならないわけではありません。 同条は、これらの者が原則として夜間を除きサ高住の敷地内またはその近接地に常駐すること、状況把握サービスを毎日1回以上提供すること、常駐していない時間については各居住部分に通報装置を設置することも定めています。
サ高住が特定施設入居者生活介護の指定をあわせて受けている場合は、看護職員の数について前掲の175条の基準が関わってきます。
この章の出典
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
- 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について(平成14年7月18日老発第0718003号) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000083170.html
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第110条・第111条 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100034
- 国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成23年厚生労働省・国土交通省令第2号)第11条 https://laws.e-gov.go.jp/law/423M60000900002
- 特定施設入居者生活介護(社会保障審議会介護給付費分科会 第179回 資料7、令和2年7月8日、厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000648154.pdf
3. 特養・老健との一番の違いは「配置医師がいないこと」
特別養護老人ホームや介護老人保健施設には、人員基準の中に医師の規定があります。特養は「入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」、老健は「常勤換算方法で、入所者の数を百で除して得た数以上」と定められています。
老健については、この数式だけを読むと小規模な施設には医師がいないように見えますが、解釈通知(老企第44号)が次の補足を置いています。
介護老人保健施設においては、常勤の医師が一人以上配置されていなければならないこと。したがって、入所者数一〇〇人未満の介護老人保健施設にあっても常勤の医師一人の配置が確保されていなければならないこと。
つまり老健には、規模にかかわらず常勤の医師がいます。
一方、特定施設入居者生活介護の人員基準(175条1項)が挙げているのは、生活相談員、看護職員・介護職員、機能訓練指導員、計画作成担当者の4つで、医師の規定はありません。 特定施設の指定を受けていない住宅型・サ高住も同じです。
医師の規定がない代わりに、協力医療機関の定めがある
施設内に医師がいないことは、連絡先が何も決まっていないという意味ではありません。同じ省令は、特定施設の事業者に対して次のように定めています。
指定特定施設入居者生活介護事業者は、利用者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力医療機関を定めておかなければならない。(第191条第1項)
介護付であれば、急変時の連絡先はあらかじめ決まっているはずです。どこが協力医療機関で、連絡の順番がどうなっているかは、始業前に確認できる情報です。
この違いは、当日の動き方に直結します。
特養・老健 | 有料老人ホーム・サ高住 | |
|---|---|---|
施設内の医師 | 人員基準に医師の員数の規定がある | 人員基準に医師の規定がない |
指示を仰ぐ相手 | 施設の医師(配置医師・常勤医師) | 入居者ごとの主治医、協力医療機関など |
情報の在りかた | 施設の記録に集約されやすい | 入居者ごとに主治医が異なることがある |
入居者ごとに主治医が違う施設では、「この方の指示は誰から出ているか」を個別に確認する必要があります。単発で入る日は、ここを申し送りで押さえておくと動きやすくなります。
特養・老健の配置については「介護施設(特養・老健)の看護師の仕事内容|配置基準の違いと、単発で入る日の確認事項」にまとめています。
この章の出典
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第2条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100040
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第44号、厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条・第191条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
4. 1日の流れ
施設の種類と体制によって変わりますが、日勤帯の動きはおおむね次のように進みます。
出勤・申し送り
夜間の状況、その日に注意が必要な入居者、受診や訪問の予定を確認
↓
午前
施設の手順に沿って入居者の状態を確認し、その日の処置や入浴の予定に対応
↓
昼
食事の様子の確認、与薬、記録
↓
午後
受診の付き添いや連絡、家族への連絡、訪問看護・訪問診療への対応
居室の巡回、体調の変化への対応
↓
夕方・申し送り
記録をまとめ、夜間帯に引き継ぐ事項を伝える何を測り、どこまで記録するかは施設の手順で決まっています。当日の手順は始業前に確認してください。
介護付では、健康管理と入浴が省令に書かれている
介護付(特定施設)の場合、看護職の業務の輪郭は省令からも読めます。健康管理については、指定居宅サービス等基準186条が看護職員を名指しで定めています。
指定特定施設の看護職員は、常に利用者の健康の状況に注意するとともに、健康保持のための適切な措置を講じなければならない。
入浴については、同基準185条2項に回数の定めがあります。
指定特定施設入居者生活介護事業者は、自ら入浴が困難な利用者について、1週間に2回以上、適切な方法により、入浴させ、又は清しきしなければならない。
入浴の実施は事業者の義務として定められており、看護職がそこにどう関わるか(入浴前後の確認を誰が行うかなど)は施設の手順によります。入浴のある日に入るかどうかで動きが変わるため、当日の予定は申し送りで確認してください。
住宅型・サ高住については、これに当たる条文上の定めがありません。健康管理の手順は施設ごとに決まっています。
介護付と住宅型・サ高住の違い
同じ日勤でも、介護付か住宅型かで入る業務が変わります。
介護付(特定施設) | 住宅型・サ高住 | |
|---|---|---|
入浴・排泄の介助 | 介護職員とともに、施設の職員として関わる | 外部の訪問介護等が担うことがある |
医療的な処置 | 施設の看護職が行う | 訪問看護との分担による(6章) |
看護職の中心業務 | 直接処遇と健康管理 | 健康管理と、外部サービス・主治医との調整 |
求人票の業務内容がどちらの書き方になっているかを見てください。
夜勤の体制については「介護施設の夜勤で看護師は何をするか」にまとめています。
この章の出典
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第185条・第186条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
5. 応募前に、施設の種類を公的なサイトで調べる
ここまで見たとおり、施設の種類が分かると業務の輪郭がかなり絞れます。そして施設の種類は、応募前に公開情報で調べられます。
調べたいこと | 使えるサイト |
|---|---|
サ高住の登録内容(提供サービス、職員の常駐時間帯、併設事業所など) | サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(国土交通省) https://www.satsuki-jutaku.mlit.go.jp/ |
特定施設入居者生活介護の指定の有無、事業所の職員体制 | 介護サービス情報公表システム(厚生労働省) https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/ |
介護サービス情報公表システムで施設名を検索し、サービスの種類に「特定施設入居者生活介護」が出てくれば、その施設は介護付です。
逆に、出てこなかった場合は断定できません。指定を受けていない可能性のほか、指定を受けて間もなくまだ掲載されていない、事業所名が求人票の表記と違う、といったことも起こります。「出てこない=指定がない」と決めつけず、応募先に確認してください。
掲載内容は事業者が届け出た情報に基づくもので、更新のタイミングによっては現状と差があることもあります。それでも、事前に調べておくと、問い合わせのときに聞くべきことが絞れます。
問い合わせでの聞き方の例です。
「求人を拝見しました。こちらは特定施設入居者生活介護の指定を
受けている介護付でしょうか、それとも住宅型でしょうか。
あわせて、当日の看護職の人数と、入居者の方の主治医への
連絡の方法を教えていただけますか。」→ 施設の種類と当日の体制を確認してから応募できる単発の求人を、公開時にお知らせします。LINEで先行登録(無料)を受け付けています。
6. 医療的ケアと、外部の訪問看護との線引き
住宅型有料老人ホームやサ高住では、入居者が個別に訪問看護や訪問診療を契約していることがあります。この場合、施設の看護職が担う範囲と、訪問看護が担う範囲が分かれます。
単発で入る日に確認しておきたいのは、次の点です。
- 訪問看護が入っている入居者は誰か、訪問の曜日と時間帯
- 処置のうち、訪問看護が行うものと、施設側で行うものの分担
- 医療機器(在宅酸素、吸引器など)を使用している入居者と、その管理の担当
- 訪問看護のスタッフや訪問診療医が来訪したときの、申し送りの窓口
また、喀痰吸引や経管栄養については、介護職員が実施できる範囲が限定されています。社会福祉士及び介護福祉士法48条の2第1項は、介護福祉士が「保健師助産師看護師法第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として喀痰吸引等を行うことを業とすることができる」と定めています。介護福祉士以外の介護職員については、厚生労働省の資料が、一定の研修を修了した者を都道府県知事が認定する「認定特定行為業務従事者」の仕組みを説明しています。
当日、誰が吸引に対応できるかは施設によって異なります。 夜間や早朝に対応できる職員がいるかもあわせて確認してください。この制度の詳細は「デイサービスの看護師の仕事内容」にまとめています。
訪問看護が入っている施設に単発で入る場合は、問い合わせのときに次のように聞いておくと、当日の分担が見えます。
「訪問看護が入っている入居者の方はいらっしゃいますか。
処置のうち、訪問看護が行うものと施設側で行うものの分担を
教えていただけますか。」この章の出典
- 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第48条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/362AC0000000030
7. 求人票で確認したいこと
5章までに挙げた点を、求人票を読むときと問い合わせのときに使える形に落としたものです。
施設の種類
- □ 特定施設入居者生活介護の指定を受けているか(介護付か、住宅型・サ高住か)
- □ サ高住の場合、有料老人ホームにも該当するか
- □ 入居定員と、フロア・棟の分かれ方
体制
- □ 当日の看護職の人数(自分1人になる時間帯があるか)
- □ 介護職員の人数と、判断に迷ったときに相談できる相手
- □ 入居者の主治医・協力医療機関と、連絡の方法
- □ 夜間・早朝に対応できる職員の有無
業務の範囲
- □ 入浴・排泄の介助にどこまで関わるか
- □ 当日に入浴の予定があるか
- □ 処置のうち、訪問看護が行うものと施設側で行うものの分担
- □ 医療機器(在宅酸素、吸引器など)を使用している入居者と、管理の担当
- □ 喀痰吸引・経管栄養の対応者
時間・賃金・そのほか
- □ 勤務の開始時刻と終了時刻、申し送りの時間の扱い
- □ 休憩の取り方と場所
- □ 雇用主、賃金の支払日と支払方法、交通費の扱い
- □ 記録の方法(紙か、記録システムか。当日操作を教えてもらえるか)
応募前の確認と当日の持ち物は「初めての看護師単発バイト|求人選び・持ち物・当日の流れ」にまとめています。
8. 「大変」と言われる理由と、向いている場合
向いている場合
- 病院の慌ただしさから離れ、入居者一人ひとりの状態を見る働き方を望む場合
- 処置の量より、健康管理と多職種の連携を中心にした業務が合う場合
- 介護付と住宅型の両方を経験して、自分に合うほうを見極めたい場合
- 特養・老健の単発勤務を経験していて、施設の幅を広げたい場合
「大変」と言われる理由と、その確認方法
この分野の仕事が大変と言われるとき、理由は次のどれかに集約されることが多いものです。いずれも、応募前に確認すれば見通しが立ちます。
- 施設内に医師がいないため、判断と連絡の比重が大きくなります。協力医療機関と主治医の連絡先、連絡の順番を始業前に確認してください(3章)。
- 住宅型・サ高住では、看護職が1人という体制もあります。相談できる相手が誰かを確認してください。
- 入居者ごとに主治医や利用している外部サービスが異なるため、情報の把握に時間がかかります。申し送りの時間が十分にあるかを確認してください。
- 介護職員との業務の分担は施設によって異なります。どこまでを担当するのかを、応募前に業務内容で確認してください。
同じ「1日単位」でも、施設の種類が変わると業務はかなり違います。ほかの施設の記事もあわせてご覧ください。
単発勤務の全体像は「看護師の単発バイト完全ガイド|働ける場所・始め方・求人票の見方」にまとめています。
9. タメシビで想定していること
タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。
有料老人ホームとサ高住は、同じ名前でも中身が分かれる分野です。だからこそ、施設の種類と当日の体制が応募前に分かる形を整えることを、サービスの前提に置いています。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。現時点でこの施設種別の求人の掲載をお約束するものではありません。
よくある質問
介護付と住宅型は、求人票のどこで見分けられますか
業務内容に入浴・排泄の介助が含まれているか、施設の紹介に「特定施設入居者生活介護」の記載があるかが手がかりになります。はっきり見分けたい場合は、介護サービス情報公表システムで施設名を検索する方法があります(5章)。
サ高住は看護師の仕事が少ないと聞きましたが本当ですか
施設によります。特定施設の指定を受けているサ高住もあり、医療依存度の高い入居者を受け入れている施設もあります。省令が定めているのは状況把握サービス等の提供者の資格であり、業務量を定めたものではありません。求人票の業務内容と、当日の入居者の状況を確認してください。
看護師が自分1人になることはありますか
施設の体制によります。住宅型や健康型は看護職員の人数の基準がないため、1人体制の施設もあります。求人票に記載がなければ、「当日、看護職は何人体制でしょうか」と確認してください。
施設に医師がいないと、指示はどうなりますか
入居者ごとの主治医や、施設が連携している協力医療機関から指示が出る形が一般的です。介護付であれば、協力医療機関をあらかじめ定めておくことが省令で求められています(3章)。単発で入る日は、誰の指示に基づいて動くのか、緊急時に誰へ連絡するのかを申し送りで確認してください。
特養での経験があれば対応できますか
共通する業務は多いものの、指示を仰ぐ相手と、外部サービスとの連携の仕方が異なります(3章)。特養・老健の経験は活きますが、当日の連絡の流れは改めて確認してください。
准看護師でも応募できますか
求人の応募条件によります。有料老人ホーム設置運営標準指導指針は「看護職員として看護師の確保が困難な場合には、准看護師を充てることができる」としており、指定居宅サービス等基準175条1項2号も看護職員を「看護師若しくは准看護師」と定義しています。実際の応募可否は求人ごとの条件を確認してください。
夜勤の求人もありますか
施設によります。夜勤の体制と、夜勤とオンコールの違いは「介護施設の夜勤で看護師は何をするか」にまとめています。
経験がなくても入れますか
求人の応募条件によります。施設の種類が事前に分かっていれば、当日の業務の輪郭はつかめます。初めての施設で不安がある場合は、日勤帯で、看護職が複数いる体制の求人から検討する方法もあります。
まとめ
有料老人ホームとサ高住は、名前が同じでも看護職の役割が分かれます。分かれ目は特定施設入居者生活介護の指定の有無で、介護付には省令の人員基準があり、住宅型・健康型には人数の基準がありません。
そしてどの類型でも、特養・老健と違って人員基準に医師の規定がありません。その代わり介護付には協力医療機関の定めがあります。指示を仰ぐ相手と連絡の順番を、始業前に確認しておくことが単発勤務では効きます。施設の種類そのものは、応募前に公的な情報提供システムで調べられます。
この記事の主な一次情報
法令・省令
- 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133
- 高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第5条・第7条 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000026
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条・第185条・第186条・第191条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第110条・第111条 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100034
- 国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成23年厚生労働省・国土交通省令第2号)第11条 https://laws.e-gov.go.jp/law/423M60000900002
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第2条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100040
- 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第48条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/362AC0000000030
通知・公的サイト
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第44号、厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
- 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について(平成14年7月18日老発第0718003号、厚生労働省老健局長通知) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000083170.html
- サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(国土交通省) https://www.satsuki-jutaku.mlit.go.jp/
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省) https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/
- 特定施設入居者生活介護(社会保障審議会介護給付費分科会 第179回 資料7、令和2年7月8日、厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000648154.pdf
※法令・通知は改正されることがあります。この記事は条文と公的資料の紹介であり、個別の事案についての判断を示すものではありません(2026年9月29日確認)。
タメシビの先行登録
タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示し、働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べます。看護師・准看護師の登録料・利用料は無料です。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、現在はLINEで先行登録を受け付けています。現時点で求人への応募を受け付けているものではありません。求人が公開されたときにお知らせを受け取りたい方は、先行登録をご利用ください。