2026年10月時点で、准看護師は廃止されていません。 いまも保健師助産師看護師法(保助看法)に定められた資格で、准看護師試験も行われています。令和7年度は10,741人が受験しました。
「廃止される」という話の出どころは、1996年(平成8年)の国の検討会の報告書です。報告書は「21世紀初頭の早い段階を目途に」看護師の養成制度の統合に努めると提言しましたが、2001年の政府の答弁書は、資格制度を「直ちに廃止することは困難」としています。
この記事は、公的資料をもとに、准看護師制度のいまと、議論の経緯、看護師を目指す道を整理します。准看護師制度がこの先どうなるかは、この記事では予測しません。
この記事の結論
- 准看護師は、保助看法が定める都道府県知事の免許の資格です。准看護師試験も行われています(1章)
- 「廃止」の話は、1996年の報告書の養成制度の統合の提言から来ています。2001年の答弁書は、資格制度を直ちに廃止するのは困難としています(2章)
- 就業している准看護師は233,022人(令和6年末)で、2年前より8.4%減りました。准看護師の養成所と入学者も減っています(3章)
- 日本看護協会は准看護師養成の停止を目指し、日本医師会は医師会立の養成所が地域の看護職員の確保に果たす役割を挙げています。この記事はどちらの立場もとりません(4章)
- いま准看護師として働いている人は、職場での扱いを人員基準と求人の資格要件で確かめられます(5章)
- 看護師を目指す道として、2年課程があります。働きながら学べる通信制の入学には、准看護師の免許を得た後5年以上の業務経験が要ります(6章)
読みたい箇所から確認する
- 1. 准看護師はいまも法律に定められた資格
- 2. 「廃止」の話はどこから来たのか——1996年の報告書と2001年の答弁書
- 3. 数字で見る准看護師のいま
- 4. 日本看護協会と日本医師会の立場
- 5. いま准看護師として働いている人が確かめられること
- 6. 看護師を目指す道——2年課程と通信制
- 7. タメシビで想定していること
- よくある質問
1. 准看護師はいまも法律に定められた資格
先に答えを置きます。准看護師は、保助看法6条で定義され、8条で試験と免許が定められた資格です。免許を与えるのは都道府県知事です。
保助看法6条は、准看護師を次のように定義しています。
この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
8条は、准看護師になるための手続きを定めています。
准看護師になろうとする者は、准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受けなければならない。
准看護師試験はいまも行われています。厚生労働省の公表資料によると、受験者・合格者は次のとおりです。
受験者 | 合格者 | |
|---|---|---|
令和6年度 | 12,718人 | 12,574人 |
令和7年度 | 10,741人 | 10,594人 |
看護師と准看護師の法律上の違い(定義の条文、指示を受ける相手)は「准看護師の単発バイト」の1章にまとめています。保健師・助産師も含めた4つの資格の違いは「保健師・助産師・看護師の違い」にまとめています。
この章の出典
- 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第6条・第8条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203
- 厚生労働省「令和7年度准看護師試験の実施状況について」(令和8年5月21日) https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/001702294.pdf
- 厚生労働省「令和6年度准看護師試験の実施状況について」(令和7年5月14日) https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/001485529.pdf
2. 「廃止」の話はどこから来たのか——1996年の報告書と2001年の答弁書
先に答えを置きます。1996年(平成8年)12月の「准看護婦問題調査検討会」の報告書が、看護師の養成制度の統合を提言しました。2001年(平成13年)の政府の答弁書は、資格制度を直ちに廃止することは困難としています。
1996年の報告書
厚生労働省の資料は、平成8年12月の准看護婦問題調査検討会の報告書の提言を、次のように紹介しています。
21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努める
あわせて、報告書は検討の進め方について、次のようにも述べています。
一方、具体的な検討を行うに当たっては、地域医療の現場に混乱を生じさせないこと等、国において広く関係者との十分な協議を重ねながら行うこと
当時は「看護婦」「准看護婦」という名称でした。2001年(平成13年)12月に公布された法改正(施行は2002年)で、いまの「看護師」「准看護師」に改められています。
2001年の答弁書
2001年3月13日の政府の答弁書(参議院議員の質問主意書に対するもの)は、当時、准看護婦等の資格制度について次のように答えています。これは2001年時点の答弁です。
現に四十万人を超える准看護婦等が就業している実態及び医療関係者の合意が得られていない状況にかんがみると、准看護婦等の資格制度を直ちに廃止することは困難であると考えている。
報告書が提言したのは「養成制度の統合」で、答弁書が述べているのは「資格制度を直ちに廃止すること」の難しさです。 2つは同じことを言っているわけではありません。日本看護協会は、報告書が提言した統合はまだ実現していないとしています(4章)。
この章の出典
- 厚生労働省「関係資料22 准看護婦養成の新カリキュラム等について」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2002/bukyoku/isei/siryo22.html
- 参議院「看護婦・士及び准看護婦・士の在り方に関する質問に対する答弁書」(内閣参質一五一第五号、平成13年3月13日) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/151/touh/t151005.htm
3. 数字で見る准看護師のいま
先に答えを置きます。就業している准看護師は233,022人(令和6年末)で、2年前より8.4%減りました。准看護師の養成所と入学者も、この20年で減っています。
就業者数
厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、令和6年末の就業者数は次のとおりです。
就業者数(令和6年末) | 前回(令和4年末)からの増減 | |
|---|---|---|
看護師 | 1,363,142人 | +51,455人(+3.9%) |
准看護師 | 233,022人 | △21,307人(△8.4%) |
准看護師が働いている場所
就業場所 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
病院 | 76,223人 | 32.7% |
診療所 | 76,541人 | 32.8% |
介護保険施設等 | 59,272人 | 25.4% |
病院と診療所がそれぞれ3割ほど、介護保険施設等が4分の1ほどです。
年齢
同じ資料で、准看護師の年齢を見ると、50歳以上が66.1%(50〜54歳 14.3%、55〜59歳 16.3%、60〜64歳 16.5%、65歳以上 19.0%)です。
養成所と入学者
日本看護協会の資料は、厚生労働省の調査をもとに、准看護師の学校・養成所の数と入学者数を次のように示しています。
学校・養成所 | 入学者 | |
|---|---|---|
2005年4月 | 295校 | 13,325人 |
2025年4月 | 172校 | 3,603人 |
日本医師会の調査(2024年)でも、医師会立の准看護師課程の定員充足率は平均55.2%とされています。
この章の出典
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/dl/gaikyo.pdf
- 日本看護協会「准看護師学校養成所数と入学者数」(厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」による) https://www.nurse.or.jp/aim/jyunkan/pdf/genjyo.pdf
- 日本医師会「令和6年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表」(2024年10月5日) https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011868.html
4. 日本看護協会と日本医師会の立場
先に答えを置きます。2つの団体は、准看護師の養成について、それぞれ次のように公表しています。この記事は、それぞれの公表資料を紹介するだけで、どちらの立場もとりません。
日本看護協会
日本看護協会は「准看護師制度の課題解決に向けた取組み」のページで、次のように説明しています(要約)。
- 1996年の報告書が提言した看護師の養成制度の統合は、まだ実現していない
- 准看護師の養成課程の教育の内容と時間が、いまの医療・看護のニーズに対して足りないとして、准看護師養成の停止を目指している
- 准看護師養成所から看護師養成所への転換を進めている
- いま働いている准看護師への研修と、看護師への進学支援に取り組んでいる
日本医師会
日本医師会は、医師会立の養成所の調査結果(2024年10月5日)で、次のように述べています(要約)。
- 医師会立の養成所は、地域の看護職員の確保に大きな役割を果たしている
- 准看護師課程は厳しい状況にある
- 経済的に困っている人も資格を取れるよう、奨学金の充実などを国や都道府県に求めている
この章の出典
- 日本看護協会「准看護師制度の課題解決に向けた取組み」 https://www.nurse.or.jp/nursing/kango_seido/index.html
- 日本医師会「令和6年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表」 https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011868.html
5. いま准看護師として働いている人が確かめられること
先に答えを置きます。この記事は将来を予測しません。いまの職場や求人での扱いは、人員基準と求人の資格要件で確かめられます。
確かめたいこと | 確かめる先 |
|---|---|
施設の人員基準での数え方 | 准看護師の単発バイト 3章 |
「看護師」に限られる場面 | 同 4章 |
求人に応募できるか | 同 5章 |
免許の手続き(氏名の変更、再交付) | 看護師免許証の扱い方 |
介護保険・障害福祉の施設の基準では、准看護師を「看護職員」として数える建て付けがあります。一方で、特定行為研修や加算の要件、求人側の判断で「看護師」に限られる場面があります。詳しくは「准看護師の単発バイト」の3章〜5章にまとめています。免許の手続きの申請先は、免許を与えた都道府県知事です(「看護師免許証の扱い方」)。
制度について新しい動きがあったときは、厚生労働省の発表と、勤務先・都道府県の案内で確かめてください。
6. 看護師を目指す道——2年課程と通信制
先に答えを置きます。准看護師が看護師国家試験を受けるには、2年課程などで学ぶ道があります。働きながら学べる通信制の2年課程は、准看護師の免許を得た後5年以上の業務経験が入学の条件です(2026年4月から)。
受験資格
准看護師が看護師国家試験の受験資格を得る条件は、保助看法21条4号に定められています。要点は次のとおりです。
次のどちらかに当てはまる准看護師 | そのうえで |
|---|---|
免許を得た後3年以上業務に従事している | 大学・学校・養成所で2年以上修業する |
高等学校または中等教育学校を卒業している | 同上 |
条文の全文と読み方は「准看護師の単発バイト」の7章にまとめています。
通信制の2年課程
厚生労働省の資料によると、看護師の2年課程(通信制)は平成16年(2004年)4月に始まりました。通学が難しい准看護師のために、臨地実習を印刷教材による授業、面接授業、病院見学で行う課程です。
入学に必要な就業経験は、当初は免許を得た後10年以上でした。三重県の案内によると、平成30年(2018年)4月1日に、10年以上から7年以上に改められました。その後、保健師助産師看護師学校養成所指定規則4条2項1号の改正により、令和8年(2026年)4月1日から5年以上になっています。
内容 | |
|---|---|
始まった時期 | 平成16年4月 |
入学に必要な就業経験 | 准看護師の免許を得た後5年以上(令和8年4月から。平成30年4月〜令和8年3月は7年以上、それより前は10年以上) |
実習の扱い | 印刷教材による授業、面接授業、病院見学 |
自分がどの課程の要件に当てはまるかは、進学先の学校・養成所と、都道府県の案内で確かめてください。日本看護協会のサイトには、2年課程の学校を探すページがあります。
この章の出典
- 厚生労働省「看護師学校養成所2年課程(通信制)について」 https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/0000109923.pdf
- 三重県「看護師養成所2年課程(通信制)情報」 https://www.pref.mie.lg.jp/IRYOS/HP/90716000001.htm
- 保健師助産師看護師学校養成所指定規則 4条2項1号(令和7年文部科学省・厚生労働省令第1号による改正。公布通知 6文科高第1888号・医政発0225第6号、熊本県掲載 https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/295396.pdf )
- 日本看護協会「看護師学校養成所2年課程の学校検索」 https://www.nurse.or.jp/nursing/kango_seido/shingakushien/search/index.html
7. タメシビで想定していること
タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。
求人ごとに、准看護師が応募できるかを確かめられるようにすることを想定しています。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。
よくある質問
准看護師の資格はなくなるのですか
2026年10月時点で、准看護師は廃止されていません。保助看法は准看護師の資格を定めており、試験も行われています(1章)。この先どうなるかは、この記事では予測しません。
1996年に廃止が決まったのではないのですか
1996年の報告書が提言したのは、看護師の養成制度の統合です。 2001年の答弁書は、資格制度を直ちに廃止することは困難としています(2章)。
准看護学校は減っていますか
日本看護協会の資料では、准看護師の学校・養成所は2005年4月の295校から2025年4月の172校に、入学者は13,325人から3,603人になっています(3章)。
今から准看護師を目指してもよいですか
この記事は、どちらを目指すべきかを判断しません。 准看護師の資格のいま(1章)、養成所の数の変化(3章)、看護師を目指す道(6章)を材料に、進学先の学校・養成所と都道府県の案内で確かめてください。
働きながら看護師を目指せますか
通信制の2年課程は、准看護師の免許を得た後5年以上の業務経験がある人を対象に、実習を印刷教材による授業、面接授業、病院見学で行う課程です(6章)。入学の要件は、進学先の学校・養成所で確かめてください。
准看護師でも単発で働けますか
求人の資格要件が「看護職員」や「看護師・准看護師」であれば、応募の対象に入ります。「看護師」に限っている求人もあります。 求人票の見方は「准看護師の単発バイト」の5章にまとめています。
まとめ
准看護師は、いまも保助看法に定められた都道府県知事の免許の資格で、試験もいまも行われています。「廃止」の話は、1996年の報告書が看護師の養成制度の統合を提言したことから来ており、2001年の答弁書は資格制度を直ちに廃止することは困難としています。
就業している准看護師と、准看護師の養成所・入学者は減っています。日本看護協会は養成の停止を目指し、日本医師会は医師会立の養成所が地域の看護職員の確保に果たす役割を挙げています。看護師を目指す場合は、2年課程があり、通信制は准看護師の免許を得た後5年以上の業務経験が入学の条件です。
この記事の主な一次情報
- 保健師助産師看護師法 第6条・第8条
- 厚生労働省「関係資料22 准看護婦養成の新カリキュラム等について」(平成8年12月の准看護婦問題調査検討会報告書の提言)
- 参議院「看護婦・士及び准看護婦・士の在り方に関する質問に対する答弁書」(平成13年3月13日)
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
- 厚生労働省「令和6年度・令和7年度准看護師試験の実施状況について」
- 厚生労働省「看護師学校養成所2年課程(通信制)について」
- 日本看護協会「准看護師制度の課題解決に向けた取組み」
- 日本医師会「令和6年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表」
※2026年10月9日に確認。制度・統計・入学要件は変わることがあります。この記事は制度と公表資料の紹介であり、准看護師制度の将来や、進学についての判断を示すものではありません。給料・待遇の差は扱っていません。
タメシビの先行登録
タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示し、働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べます。看護師・准看護師の登録料・利用料は無料です。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、現在はLINEで先行登録を受け付けています。現時点で求人への応募を受け付けているものではありません。求人が公開されたときにお知らせを受け取りたい方は、先行登録をご利用ください。