看護師と准看護師は、どちらも保健師助産師看護師法(保助看法)に定められた資格です。 業務の内容は同じ条文(5条)を指していますが、免許を与える者、試験を行う者、籍を置く場所が違います。准看護師には、医師・歯科医師・看護師の指示を受けて業務を行うという前提が置かれています。

職場での扱いにも違いがあります。デイサービス・特養・老健などの介護施設の人員基準は、看護師と准看護師をまとめて「看護職員」と定義していますが、病院の入院基本料の施設基準には、看護職員のうち一定以上を看護師とする定めがあります。

この記事は、条文と告示をもとに違いを1枚の表にまとめ、詳しい説明は関連する記事へ案内します。給与や、個別の求人に応募できるかは扱いません。

この記事の結論

  • 看護師は厚生労働大臣の免許、准看護師は都道府県知事の免許です。試験も、看護師国家試験は厚生労働大臣、准看護師試験は都道府県知事が行います(1章・3章)
  • 業務の内容は同じ条文を指しています。准看護師の定義には「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」という前提が置かれています(2章)
  • 准看護師試験の受験資格は、指定の学校での2年の学科か、准看護師養成所の卒業などです。看護師国家試験の受験資格がある人も、准看護師試験を受けられます(4章)
  • 病院の入院基本料の施設基準には、看護職員の最小必要数のうち7割以上・4割以上・2割以上を看護師とする定めがあります。デイサービス・特養・老健などの介護施設の人員基準は、看護師と准看護師をまとめて数えます(5章)
  • 特定行為研修、保健師・助産師の国家試験など、看護師であることが前提の制度があります(6章)

読みたい箇所から確認する

1. 看護師と准看護師の違いを1枚の表で見る

先に答えを置きます。違いは、免許を与える者・試験を行う者・籍の置き場所・准看護師に置かれた指示の前提にあります。業務の内容と、守秘義務・名称独占の定めは共通です。

看護師

准看護師

定義(業)

傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助(5条)

医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、5条に規定することを行う(6条)

免許を与える者

厚生労働大臣(7条3項)

都道府県知事(8条)

試験

看護師国家試験(厚生労働大臣が行う)

准看護師試験(都道府県知事が行う)(18条)

籍

看護師籍(厚生労働省)(10条)

准看護師籍(都道府県)(11条)

受験資格

21条

22条

業務独占

看護師でない者は5条の業をしてはならない(31条1項)

准看護師でない者は6条の業をしてはならない(32条)

名称独占

あり(42条の3第3項)

あり(42条の3第4項)

医師・歯科医師の指示が要る行為

37条(共通)

37条(共通)

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2. 看護師と准看護師の仕事内容(業務)の違い

先に答えを置きます。准看護師の定義(6条)は、業務の内容を「前条に規定すること」として、看護師の定義(5条)と同じ範囲を指しています。違いは、准看護師の定義に「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」という前提があることです。

保助看法6条は、准看護師を次のように定めています。

この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。

業務独占の定めも対になっています。31条1項は「看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない」、32条は「准看護師でない者は、第六条に規定する業をしてはならない」としています。

医師・歯科医師の指示が要る行為を定めた37条は、看護師にも准看護師にも同じように適用されます。 准看護師が誰の指示を受けて動くのか、単発で入る日に何を確かめるかは、「准看護師の単発バイト」の1章・2章にまとめています。看護師が行える行為の範囲は、「看護師ができる医療行為・できない医療行為」にまとめています。

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3. 看護師と准看護師の免許・試験・籍の違い

先に答えを置きます。看護師は厚生労働大臣の免許で、籍は厚生労働省に置かれます。准看護師は都道府県知事の免許で、籍は都道府県に置かれます。試験も、看護師国家試験は厚生労働大臣、准看護師試験は都道府県知事が行います。

看護師

准看護師

免許

看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける(7条3項)

准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受ける(8条)

試験を行う者

厚生労働大臣

都道府県知事

籍

厚生労働省に看護師籍(10条)

都道府県に准看護師籍(11条)

18条は、試験について次のように定めています。

保健師国家試験、助産師国家試験及び看護師国家試験は、厚生労働大臣が、准看護師試験は、都道府県知事が、厚生労働大臣の定める基準に従い、毎年少なくとも一回これを行う。

准看護師試験も、厚生労働大臣の定める基準に従って行われます。 免許証の書換えや再交付の申請先は、看護師は厚生労働大臣、准看護師は免許を与えた都道府県知事です。手続きは「看護師免許証の扱い方」の7章にまとめています。

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4. 准看護師試験と看護師国家試験の受験資格の違い

先に答えを置きます。准看護師試験は、指定の学校で2年の看護に関する学科を修めた人や、准看護師養成所を卒業した人などが受けられます。看護師国家試験の受験資格(21条1号〜3号・5号)がある人も受けられます。

受験資格の条文で年数を比べると、准看護師試験は指定の学校で2年の看護に関する学科(22条1号)、看護師国家試験は指定の学校で3年以上の学科(21条2号)や大学の卒業(21条1号)です。准看護師養成所の修業年限は、この条文には書かれていません。

准看護師試験(22条)

号

内容

1号

文部科学大臣の指定した学校において二年の看護に関する学科を修めた者

2号

都道府県知事の指定した准看護師養成所を卒業した者

3号

21条1号から3号まで又は5号に該当する者(看護師国家試験の受験資格がある人)

4号

外国の学校・養成所の卒業者や外国の免許の取得者で、21条5号に当たらず、都道府県知事が適当と認めた者

看護師国家試験(21条)

号

内容(要約)

1号

指定の大学で看護師になるのに必要な学科を修めて卒業した者

2号

指定の学校で3年以上、看護師になるのに必要な学科を修めた者

3号

都道府県知事の指定した看護師養成所を卒業した者

4号

免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師、又は高等学校等を卒業している准看護師で、1号〜3号の大学・学校・養成所で2年以上修業した者

5号

外国の学校・養成所の卒業者や外国の免許の取得者で、厚生労働大臣が同等以上と認めた者

准看護師から看護師を目指す4号の読み方は「准看護師の単発バイト」の7章、2年課程・通信制の入学要件は「准看護師は廃止される?」の6章にまとめています。自分がどの号に当たるかは、進学先の学校・養成所に確かめてください。

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5. 病院と介護施設で、看護師と准看護師の扱いはどう違うか

先に答えを置きます。病院の入院基本料の施設基準には、病棟の看護職員の最小必要数のうち、一定以上を看護師とする定めがあります。デイサービス・特養・老健などの介護施設の人員基準は、看護師と准看護師をまとめて「看護職員」としています。

病院:入院基本料の施設基準

基本診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第62号)は、入院基本料ごとに、次の形の定めを置いています。

当該病棟において、看護職員の最小必要数の七割以上が看護師であること。

割合は入院基本料によって違います。

割合

告示に定めがある入院基本料の例

7割以上

急性期一般入院基本料、結核病棟入院基本料の7対1〜13対1、精神病棟入院基本料の10対1・13対1 など

4割以上

結核病棟入院基本料・精神病棟入院基本料の15対1〜20対1 など

2割以上

療養病棟入院基本料

告示は別の箇所で「看護師及び准看護師の数に対する看護師の比率」という言い方をしており、准看護師も看護職員の数に入ります。そのうえで、病棟の看護職員の最小必要数のうち、この割合以上を看護師とする定めです。 どの入院基本料を届け出ているかは病院によって違います。病棟の看護職員の配置の考え方は、「病院の病棟に単発の求人が少ない理由」にまとめています。

介護施設:人員基準の「看護職員」

デイサービス・特養・老健・介護付有料老人ホームなどの人員基準は、看護師と准看護師をまとめて「看護職員」と定義しています。条文の文言と施設ごとの一覧は、「准看護師の単発バイト」の3章にまとめています。

どちらも施設側の体制の定めで、求人の応募条件とは別です。 個別の病院の配置は、この記事では判断しません。応募できる資格は、求人ごとに確かめてください。

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6. 看護師であることが前提の制度

先に答えを置きます。特定行為研修は看護師が対象です。保健師・助産師になるには、それぞれの国家試験に加えて看護師国家試験にも合格する必要があります。

制度

定め

特定行為研修

特定行為を手順書により行う看護師は、特定行為研修を受けなければならない(37条の2第1項)

保健師

保健師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける(7条1項)

助産師

助産師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける(7条2項)

特定行為研修と、認定看護師・専門看護師との違いは「認定看護師・専門看護師・特定行為研修の違い」、保健師・助産師との違いは「保健師・助産師・看護師の違い」にまとめています。加算の要件が「看護師」になっている例は、「准看護師の単発バイト」の4章にまとめています。

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7. タメシビで想定していること

タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募が完了した時点で勤務が確定します(施設による承認・面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。

タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。

よくある質問

看護師と准看護師の違いは何ですか

免許を与える者(厚生労働大臣か都道府県知事か)、試験を行う者、籍の置き場所、准看護師に置かれた指示の前提が違います。 業務の内容は同じ条文を指していて、准看護師の定義には「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」という前提があります(1章・2章)。

准看護師は、看護師がいない職場では働けないのですか

法律は、准看護師が医師・歯科医師・看護師のいずれかの指示を受けて業務を行うと定めています(6条)。看護師がいない日に誰の指示を受けるかは、職場ごとに確かめてください。確かめ方は「准看護師の単発バイト」の2章にまとめています。

看護師は准看護師に指示を出せますか

保助看法6条は、准看護師が医師・歯科医師・看護師の指示を受けて業務を行うと定めています。 職場で誰が准看護師に指示を出すかの決め方は、職場ごとに違います。確かめ方は「准看護師の単発バイト」の2章にまとめています。

病院で准看護師は働けますか

働けます。 病院の入院基本料の施設基準は、病棟の看護職員の最小必要数のうち一定の割合以上を看護師とすることを定めていますが、准看護師も看護職員に含まれます(5章)。

准看護師から看護師になるには、どうすればよいですか

看護師国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を受けます。 准看護師については、21条4号が受験資格を定めています(4章)。進学の道は「准看護師は廃止される?」の6章にまとめています。

まとめ

看護師と准看護師は、どちらも保助看法の資格です。業務の内容は同じ条文を指していますが、免許を与える者(厚生労働大臣と都道府県知事)、試験を行う者、籍の置き場所、准看護師に置かれた指示の前提が違います。

職場の基準では、病院の入院基本料に、看護職員のうち一定以上を看護師とする定めがあります。デイサービス・特養・老健などの介護施設の人員基準は、看護師と准看護師をまとめて「看護職員」としています。求人に応募できるかは、求人ごとに確かめてください。

この記事の主な一次情報

  • 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)5条〜8条・10条・11条・18条・21条・22条・31条・32条・37条・37条の2・42条の3
  • 基本診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第62号)

※2026年10月19日に e-Gov 法令検索と厚生労働省 法令等データベースで確認。法令・告示は改正されることがあります。この記事は制度の紹介であり、個別の求人に応募できるか、個別の病院の配置について判断を示すものではありません。

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