認定看護師・専門看護師・認定看護管理者は、公益社団法人日本看護協会が認定する資格です。特定行為研修は、保健師助産師看護師法に定めのある研修です。診療看護師(NP)は、一般社団法人日本NP教育大学院協議会が認定する資格です。

名前が似ていても、認定する主体と、法律に定めがあるかどうかが違います。この記事では5つを1枚の表で比べてから、それぞれの要件と役割を、公的な資料と認定団体の案内に書かれている範囲で整理します。どれを目指すべきかは、この記事では決めません。費用・年収・手当も扱いません。

この記事の結論

  • 認定看護師・専門看護師・認定看護管理者は日本看護協会の資格で、5年ごとに認定の更新があります(1章)
  • 認定看護師は実践・指導・相談の3つ、専門看護師は実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割が示されています。専門看護師は看護系大学院の修士課程の修了が要件です(2章・3章)
  • 認定看護師の教育課程は、特定行為研修を組み込んだB課程(令和2年度から)に移り、A課程は2026年度で教育が終了します(2章)
  • 特定行為研修は、手順書により特定行為を行う看護師が受けるものとして法律に定めがあります。特定行為は38行為21区分、修了者は13,887人(令和7年9月)です(5章)
  • 単発の求人では、業務内容に手順書による特定行為が含まれるか、資格欄に認定看護師などの記載があるかを確認します(7章)

読みたい箇所から確認する

1. 5つを1枚の表で比べる

先に答えを置きます。5つのうち、保健師助産師看護師法に定めがあるのは特定行為研修だけです。残りの4つは、団体が認定する資格です。

名称

認定・実施する主体

法律の定め

主な要件

更新

認定看護師

日本看護協会

なし(団体の資格)

免許取得後の実務経験、認定看護師教育機関の修了、認定審査

5年ごと

専門看護師

日本看護協会

なし(団体の資格)

免許取得後の実務経験、看護系大学院修士課程の修了と所定の単位、認定審査

5年ごと

認定看護管理者

日本看護協会

なし(団体の資格)

実務経験、サードレベルの修了または看護管理に関連する修士以上、認定審査

5年ごと

特定行為研修

指定研修機関(37条の2)

保健師助産師看護師法37条の2

共通科目と区分別科目の修了

―

診療看護師(NP)

日本NP教育大学院協議会

なし(団体の資格)

大学院修士課程のNP教育課程の修了、資格認定試験

本記事では未照合

表の「なし」は、保健師助産師看護師法にその名称の資格の規定がないという意味です。保健師助産師看護師法が名称の使用を限っているのは、保健師・助産師・看護師・准看護師の4つです(42条の3)。

特定行為研修は「資格」ではなく「研修」です。手順書により特定行為を行う看護師が、指定研修機関で受ける研修です(5章)。

この章の出典

  • 日本看護協会「認定看護管理者」、同協会の資格認定制度の案内
  • 千葉県の資料(専門看護師・認定看護師・特定行為研修)
  • 保健師助産師看護師法 37条の2・42条の3

2. 認定看護師

先に答えを置きます。認定看護師は、特定の看護分野で、実践・指導・相談の3つの役割を担う看護職として日本看護協会が認定する資格です。教育課程は、特定行為研修を組み込んだB課程に移っています。

役割と要件

千葉県の資料(作成時点の記載なし)は、認定看護師について次のように整理しています。現在の要件は、日本看護協会の案内で確認してください。

項目

内容

役割

実践・指導・相談の3つ

免許

保健師・助産師・看護師のいずれかの免許

実務経験

免許取得後5年以上(うち3年以上は認定看護分野)

教育

認定看護師教育機関(1年以内・800時間程度)の修了

審査

日本看護協会の認定審査に合格

認定後は、5年ごとに認定の更新があります。

A課程とB課程

認定看護師の教育課程には、A課程とB課程があります。

課程

分野数

特定行為研修

時期

A課程

21分野

組み込まれていない

2026年度(令和8年度)で教育終了

B課程

19分野

組み込まれている

令和2年度から教育開始

(分野数と時期は山形県の資料(令和8年1月現在)、特定行為研修の組み込みは山梨県立大学の紀要による)

B課程の19分野(山形県の資料の表記どおり)

感染管理/がん放射線療法看護/がん薬物療法看護/緩和ケア/クリティカルケア/呼吸器疾患看護/在宅ケア/手術看護/小児プライマリケア/新生児集中ケア/心不全看護/腎不全看護/生殖看護/摂食嚥下障害看護/糖尿病看護/乳がん看護/認知症看護/脳卒中看護/皮膚・排泄ケア

B課程を修了した認定看護師を指して「特定認定看護師」という呼び方が使われています。正式な名称と、名乗るための要件は、日本看護協会の案内で確認してください。

認定看護師になるまでの流れ

  1. 保健師・助産師・看護師のいずれかの免許を取得する
  2. 実務経験を積む(5年以上、うち3年以上は認定看護分野)
  3. 認定看護師教育機関の課程を修了する
  4. 日本看護協会の認定審査に合格する
  5. 5年ごとに更新する

分野の一覧と、現在の要件の細かい点は、日本看護協会の案内で確認してください。

この章の出典

  • 千葉県の資料(認定看護師の役割と要件)
  • 山形県「補助対象となる資格・研修(R8.1現在)」
  • 山梨県立大学 看護学部紀要(B課程とA課程)

3. 専門看護師

先に答えを置きます。専門看護師は、特定の専門看護分野で6つの役割を担う看護職として日本看護協会が認定する資格です。看護系大学院の修士課程の修了が要件に入っている点が、認定看護師との違いです。

役割と要件は千葉県の資料(作成時点の記載なし)、分野数は山形県の資料によります。現在の要件は、日本看護協会の案内で確認してください。

項目

内容

役割

実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つ

分野数

14分野(山形県の資料、令和8年1月現在)

免許

保健師・助産師・看護師のいずれかの免許

実務経験

免許取得後5年以上(うち3年以上は専門看護分野)

教育

看護系大学院の修士課程を修了し、所定の単位を取得

審査

日本看護協会の認定審査に合格

専門看護師の14分野(山形県の資料の表記どおり)

がん看護/精神看護/地域看護/老人看護/小児看護/母性看護/慢性疾患看護/急性・重症患者看護/感染症看護/家族支援/在宅看護/遺伝看護/災害看護/放射線看護

認定看護師との違い

比べる点

認定看護師

専門看護師

役割の数

3つ(実践・指導・相談)

6つ(実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究)

教育

認定看護師教育機関

看護系大学院の修士課程

特定行為研修

B課程に組み込まれている

要件として本記事の資料には書かれていない

更新

5年ごと

5年ごと

役割の並びを比べると、専門看護師には調整・倫理調整・研究が加わっています。

この章の出典

  • 千葉県の資料(専門看護師の役割と要件)
  • 山形県「補助対象となる資格・研修(R8.1現在)」

4. 認定看護管理者

先に答えを置きます。認定看護管理者は、看護管理の分野で日本看護協会が認定する資格です。認定看護師・専門看護師と違い、特定の看護分野ではなく、看護管理を対象にしています。

日本看護協会の案内では、認定審査を受けるための要件として次の内容が示されています。

項目

内容

実務経験

看護師免許取得後、通算5年以上

教育

認定看護管理者教育課程サードレベルの修了、または看護管理に関連する学問領域の修士以上

更新

5年ごと(書類審査)

細かい要件は、日本看護協会の案内で確認してください。

この章の出典

  • 日本看護協会「認定看護管理者」

5. 特定行為研修

先に答えを置きます。特定行為研修は、医師または歯科医師の手順書により特定行為を行う看護師が受ける研修として、保健師助産師看護師法37条の2に定めがあります。

条文

保健師助産師看護師法37条の2第1項は、次のように定めています。

特定行為を手順書により行う看護師は、指定研修機関において、当該特定行為の特定行為区分に係る特定行為研修を受けなければならない。

条文の主語は「看護師」です。准看護師との関係は「准看護師の単発バイト」の4章にまとめています。

名前が似ている別の制度

介護施設や学校の記事に出てくる「認定特定行為業務従事者」は、この章の特定行為研修とは別の制度です。厚生労働省の資料は、認定特定行為業務従事者を「介護職員等であって、喀痰吸引等の業務の登録認定を受けた従事者」と説明しています(一定の研修を修了した者を都道府県知事が認定)。対象は喀痰吸引と経管栄養です。この記事で扱う特定行為研修は、看護師が手順書により特定行為を行うためのものです。

数字で見る特定行為研修

項目

内容

特定行為

38行為21区分

研修の構成

共通科目250時間と、区分別科目5〜34時間

修了者

13,887人(令和7年9月)

指定研修機関

474機関(令和7年9月)

(厚生労働省「看護師の特定行為研修制度に係る参考資料」令和7年10月20日)

21の特定行為区分

同じ資料が挙げる21区分は、次のとおりです(資料の表記どおり)。

  • 呼吸器(気道確保に係るもの)関連/呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連/呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
  • 循環器関連/心嚢ドレーン管理関連/胸腔ドレーン管理関連/腹腔ドレーン管理関連
  • ろう孔管理関連/栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連/栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
  • 創傷管理関連/創部ドレーン管理関連/動脈血液ガス分析関連/透析管理関連
  • 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連/感染に係る薬剤投与関連/血糖コントロールに係る薬剤投与関連/術後疼痛管理関連
  • 循環動態に係る薬剤投与関連/精神及び神経症状に係る薬剤投与関連/皮膚損傷に係る薬剤投与関連

領域別パッケージ

厚生労働省の資料は、区分をまとめて受ける領域別パッケージとして、次の6つを示しています。

  • 在宅・慢性期領域
  • 外科術後病棟管理領域
  • 術中麻酔管理領域
  • 救急領域
  • 外科系基本領域
  • 集中治療領域

手順書による特定行為の流れ

厚生労働省の資料が示す流れは、次のとおりです。

  1. 医師または歯科医師が、あらかじめ手順書で指示する
  2. 看護師が、患者の病状が手順書の範囲にあるかを確認する
  3. 範囲内であれば、看護師が特定行為を行う
  4. 結果を医師または歯科医師に報告する

研修の内容と制度は、厚生労働省のワーキンググループで見直しの検討が行われています。最新の内容は厚生労働省の案内で確認してください。

この章の出典

  • 保健師助産師看護師法 37条の2第1項
  • 厚生労働省「看護師の特定行為研修制度に係る参考資料」(令和7年10月20日)

6. 診療看護師(NP)

先に答えを置きます。診療看護師(NP)は、一般社団法人日本NP教育大学院協議会が資格認定試験を行う資格です。保健師助産師看護師法には、診療看護師という名称の資格の規定はありません。

大学の資料(令和3年)では、診療看護師(NP)について次のように説明されています。

項目

内容

認定

日本NP教育大学院協議会の資格認定試験

教育

大学院修士課程のNP教育課程

特定行為研修との関係

NP教育課程の中で、特定行為研修の修了認定を受ける

特定行為研修との関係

5章の特定行為研修は、法律に定めがある研修です。診療看護師(NP)は、その研修の修了を含む大学院の課程を経て、協議会の試験に合格した人が名乗る資格です。手順書により特定行為を行う看護師に研修を求めているのは、保健師助産師看護師法37条の2です(5章)。

受験の要件と課程の内容は、日本NP教育大学院協議会の案内で確認してください。

この章の出典

  • 佐久大学の資料(令和3年11月30日)
  • 保健師助産師看護師法 37条の2・42条の3

7. 単発で働くときの関わり

先に答えを置きます。単発の求人で確認するのは、業務内容に手順書による特定行為が含まれるかと、資格欄に認定看護師などの記載があるかの2つです。

業務内容に特定行為が含まれるか

37条の2第1項は、手順書により特定行為を行う看護師に研修を求めています。その日の業務に手順書による特定行為が含まれるかは、求人の業務内容の欄と、施設への確認で分かります。

確認すること

理由

その日の業務に、手順書による特定行為が含まれるか

37条の2第1項が研修を求めている

含まれる場合、どの区分の研修修了が必要か

研修は区分ごと(38行為21区分)

修了証の提示を求められるか

施設に確認する

求人の業務内容欄に特定行為の記載がないのに、当日に特定行為を頼まれた場合は、手順書があるか、その区分の研修修了が必要かを、その場で施設に確認してください。

資格欄に認定看護師などの記載があるか

認定看護師・専門看護師・認定看護管理者・診療看護師(NP)は、団体の資格です(1章)。求人の資格欄にこれらの名称が書かれているか、書かれている場合に認定証の提示を求められるかは、求人ごとに確認してください。

看護師免許証の提示の場面と扱い方は「看護師免許証の扱い」の1章にまとめています。

8. タメシビで想定していること

タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。

業務内容に特定行為が含まれるか、資格欄に認定看護師などの記載があるかは、求人ごとに施設の条件を明示する方針です。常勤・パートの採用をあっせんするサービスではありません。働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べることを、サービスの前提に置いています。

タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。

よくある質問

認定看護師と専門看護師の違いは何ですか

どちらも日本看護協会の資格です。役割は、認定看護師が実践・指導・相談の3つ、専門看護師が実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つです。専門看護師は看護系大学院の修士課程の修了が要件です(2章・3章)。

認定看護師の種類はいくつありますか

B課程は19分野、A課程は21分野です(山形県の資料、令和8年1月現在)。A課程は2026年度で教育が終了します。B課程の分野名は2章、専門看護師の14分野は3章に載せています。

特定行為研修は資格ですか

法律に定めのある研修です。37条の2第1項は、手順書により特定行為を行う看護師に、指定研修機関での研修を求めています(5章)。

特定認定看護師とは何ですか

特定行為研修を組み込んだB課程を修了した認定看護師を指す呼び方として使われています。正式な名称と要件は、日本看護協会の案内で確認してください(2章)。

診療看護師(NP)と特定行為研修の違いは何ですか

特定行為研修は法律に定めのある研修、診療看護師(NP)は日本NP教育大学院協議会が認定する資格です。NP教育課程の中で、特定行為研修の修了認定を受けます(6章)。

准看護師は特定行為研修を受けられますか

37条の2第1項の主語は「看護師」で、准看護師はこの制度の対象に含まれていません(5章)。詳しくは「准看護師の単発バイト」の4章をご覧ください。

まとめ

認定看護師・専門看護師・認定看護管理者は日本看護協会の資格で、5年ごとに更新があります。認定看護師は3つ、専門看護師は6つの役割が示され、専門看護師は大学院の修士課程の修了が要件です。認定看護師の教育は、特定行為研修を組み込んだB課程に移っています。

特定行為研修は、保健師助産師看護師法37条の2に定めのある研修で、特定行為は38行為21区分、修了者は13,887人(令和7年9月)です。診療看護師(NP)は、日本NP教育大学院協議会の資格です。

単発の求人では、業務内容に手順書による特定行為が含まれるかと、資格欄の記載を確認してください。

この記事の主な一次情報

  • 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)37条の2・42条の3
  • 厚生労働省「看護師の特定行為研修制度に係る参考資料」(令和7年10月20日)
  • 日本看護協会「認定看護管理者」、同協会の資格認定制度の案内
  • 山形県「補助対象となる資格・研修(R8.1現在)」
  • 千葉県の資料(専門看護師・認定看護師・特定行為研修)

※2026年10月6日に確認。制度や要件は変わることがあります。この記事は制度の紹介であり、個別の求人の資格要件や、どの資格・研修を選ぶかについて判断を示すものではありません。費用・賃金は扱っていません。

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