常勤で働いていたときは、年に1回、職場で健診を受けていたと思います。

単発で働くようになると、それがなくなります。では、誰が実施するのか。自分で受けるのか。

先に結論を整理します。

  • 雇入時の健診も定期健診も、対象は「常時使用する労働者」です。 1日だけの勤務では、通常どちらも行われません(1章)。
  • その範囲は通達に示されています。 短時間労働者については、①契約期間の要件と、②週の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上であることの両方を満たすこととされています(2章)。
  • 深夜業を含む業務は6か月以内ごとに1回とされています。ただし対象は、その業務に常時従事する労働者です(3章)。
  • 複数の施設で働いても、どこも「常時使用」にあたらない状態が生まれうることが、単発の構造的な問題です(4章)。
  • 自分で受ける場合、費用は自己負担になります。 市区町村が実施する健診という選択肢があります(5章)。

この記事は、条文と厚生労働省の資料が何を定めているかを紹介するものです。あなたが健診の対象になるかを判定するものではありません。 どの検査を受けるべきかという医学的な判断にも踏み込みません。

目次

1. 単発では健診が行われない

2つの健診があります

労働安全衛生法にもとづく健康診断のうち、一般的なものは2つです。

対象

時期

雇入時の健康診断

常時使用する労働者

雇い入れの際

定期健康診断

常時使用する労働者(特定業務従事者を除く)

1年以内ごとに1回

どちらも対象が「常時使用する労働者」です。

労働安全衛生規則43条は、事業者が 「常時使用する労働者を雇い入れるときは」 健康診断を行わなければならないと定めています。定期健康診断についても、厚生労働省のパンフレットは対象を 「常時使用する労働者(次項の特定業務従事者を除く)」、頻度を 「1年以内ごとに1回」 としています。特定業務従事者については3章で扱います。

実施するのは事業者、受けるのは労働者

条文の組み立てを見ておくと、この後の話が分かりやすくなります。義務は両側に置かれています。

労働安全衛生法66条1項は、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断…を行わなければならない」としています。

同条5項は、労働者の側についてこう定めています。

労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

労働者の側にも義務があります。 ただし、その義務の中身は 「事業者が行なう健康診断」を受けることです。ただし書きも、事業者の指定した医師で受けたくない場合に他で受けて結果を出す、という形になっています。

つまり、条文はどちらの側も「事業者が実施する」ことを前提に組まれています。

ここが単発に効きます。事業者の実施義務の対象から外れると、実施されないだけでなく、労働者側の受診の義務も生じません。 誰も実施せず、誰も受けなくてよい、という状態になります。4章で扱う問題は、ここから出てきます。

なお、この「義務の相手が施設の側に置かれている」形は、看護記録の定めとも共通します(「看護記録の法的根拠と保存期間」)。

1日だけの勤務では、どちらも行われないのが通常

1日だけの勤務は、この「常時使用する労働者」にあたらないのが通常です。そのため、単発で入る施設が健康診断を実施することは、基本的にありません。 その根拠は2章で見る通達の要件にあります。

常勤で入職したときのことを思い出すと、違いがはっきりします。入職前に健診を受け、その後は年に1回、職場が実施する健診を受けていたはずです。あれは、継続して使用される労働者に対する事業者の義務として行われていたものです。

「毎回雇い入れられるなら、毎回雇入時健診では」

単発では、勤務のたびに施設と雇用契約を結びます。そのたびに「雇い入れ」があるなら、そのたびに雇入時の健診があるのでは、という疑問が出ます。

条文の文言に戻ります。43条が定めているのは 「常時使用する労働者を雇い入れるときは」 です。「常時使用する労働者」であることが先に置かれています。

つまり、雇い入れの回数が増えても、そこに含まれない形の勤務であれば、この条文の場面には入りません。契約を結ぶ回数の話ではなく、どういう労働者かの話として書かれています。

契約の形そのものについては「単発の求人は業務委託?雇用契約?」にまとめています。

社会保険と同じ構造です

この形は、社会保険と同じです。健康保険も厚生年金も、1日だけの勤務では適用除外にあたるのが原則でした。継続して使われることを前提に組まれた仕組みから、単発は外れます。

社会保険・雇用保険・有給休暇の扱いは「看護師の単発バイトと社会保険・雇用保険・有給休暇」にまとめています。

この章の出典

2. 「常時使用する労働者」の範囲は通達に示されています

条文とパンフレットには、範囲の定義がありません

「自分は健診の対象になるのか」を調べようとすると、条文を読んでも出てきません。条文が使っているのは「常時使用する労働者」という言葉だけで、その範囲を条文が定義していないためです。

厚生労働省のパンフレット「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」も、この語を使ってはいますが、どこまでが含まれるかの説明を置いていません。そのうえで同パンフレットは、最寄りの都道府県労働局・労働基準監督署への問い合わせを案内しています。

範囲は通達に示されています

では、どこに書かれているのか。短時間労働者については、通達に要件が示されています。

静岡労働局が公開している抜粋によれば、平成26年7月24日付け基発第0724第2号の連名通達は、「常時使用する短時間労働者」について、次の①と②のいずれも満たすことを要件としています。

①期間の定めのない労働契約により使用される者であること。なお、期間の定めのある労働契約により使用される者であって、1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者

②1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である者であること

広く紹介されている「4分の3」は、②のほうです。 ①の契約期間の要件が、その前に置かれています。

単発に当てはめると、②の前に①があります

単発の勤務は、その日かぎりの契約です。1年以上使用されることが予定されているわけでも、更新により1年以上使用されているわけでもありません。 労働時間の長短を見るより前に、①の段階で外れる形になります。

これが、1章で書いた「1日だけの勤務では通常どちらも行われない」ことの根拠です。

ただし、この通達が示しているのは短時間労働者についての判断です。 そして、個別の事案で自分が対象になるかを確定するのは、この記事ではありません。

判定が必要になるのは、勤務の形が変わるときです

同じ施設に繰り返し入るようになると、①の読み方が問題になりえます。判定が必要になるのは、次のような場面です。

  • 同じ施設に繰り返し入るようになり、勤務が定期的になってきた
  • 非常勤として契約を結び直すことになった

単発を1日ずつ、異なる施設で行っている限り、この場面には通常至りません。 勤務の形が変わってきたと感じたら、そこが確認の時点です。

確認先は労働基準監督署です。 パンフレットも、範囲については労働局・労働基準監督署への問い合わせを案内しています。

なお、施設に「健診の対象になりますか」と聞いても答えが返ってこないことがあります。 条文に定義が置かれていない事柄なので、施設の側も確答しにくい部分です。その場合も、窓口は労働基準監督署です。

社会保険の「4分の3」とは別のものです

ここで注意が必要です。「4分の3」は、社会保険の話でも出てきます。

何の基準か

向き

健康診断

「常時使用する短時間労働者」の要件のひとつ(通達)

4分の3以上で対象に含まれる

社会保険

短時間労働者が適用の対象になる要件のひとつ

4分の3未満であることが要件に出てくる

根拠も、何を判定するための基準かも違います。 数字が同じなので同じ基準だと思われがちですが、別の制度の、別の線です。 向きも逆になっています。社会保険の側は「社会保険・雇用保険・有給休暇」で扱っています。

この章の出典

3. 深夜業を含む業務は6か月ごと

特定業務従事者の健康診断

一般的な健診とは別に、特定の業務に従事する労働者についての健診があります。

厚生労働省のパンフレットは、対象を 「労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者」 とし、6月以内ごとに1回の健康診断を定めています。その業務の一覧に 「ヌ 深夜業を含む業務」 が含まれています。

夜勤をする看護師は、この一覧に自分の業務が入っているということになります。ただし、対象の書き方に条件がついています。

ただし「常時従事する」労働者が対象です

注意が必要なのは、対象の書き方です。上の引用のとおり、対象は「常時従事する労働者」とされています。

1章で見た定期健康診断が「常時使用する労働者」だったのに対し、こちらは 「常時従事する」 です。業務の側を見る書き方になっていますが、いずれも継続性を前提にした言葉である点は同じです。

単発で月に数回の夜勤に入る形では、「常時従事する」にあたらないのが通常です。つまり、夜勤を含む単発の勤務を重ねても、この健診の対象になるとは限りません。

夜勤を重ねる場合に押さえておきたいこと

単発で夜勤を重ねる働き方では、健診の枠組みが届かないまま夜勤を続けることになりえます。

夜勤の負荷をどう見るかについては、日本看護協会が勤務編成の基準を示しています。勤務間隔と連続勤務日数の考え方は「夜勤明けに単発バイトを入れてよい?」にまとめています。

この記事では、どのくらいの頻度で健診を受けるべきかという判断はしません。 医学的な判断であり、当社が示せる事柄ではないためです。

この章の出典

4. どこも実施しない状態が生まれうる

ここが単発の構造的な問題です

1章から3章で見たことを、働き方ごとに並べます。

働き方

健診を実施するのは誰か

常勤

勤務先(事業者の義務として)

非常勤で、一定以上の時間を継続して働く

勤務先(要件は2章)

単発を複数の施設で重ねる

どの施設も、自分のところでは「常時使用する労働者」にあたらないと判断しうる

3行目が問題です。

合計すれば相当の時間を働いていても

月に15日、複数の施設で単発の勤務を重ねている場合、働いている総量は非常勤と変わらないことがあります。

それでも、施設ごとに見れば、どこも「常時使用する労働者」ではありません。 A施設では月に3日、B施設では月に4日。それぞれの施設から見れば、契約期間の要件も労働時間の要件も満たさない、という形です。

結果として、どの施設の義務にもならない状態が生まれます。

社会保険と同じ非対称です

この構造は、社会保険で見たものと同じです。

判定の単位

合計するか

社会保険の加入

事業所ごと

しない

労働時間(労基法38条1項)

事業場が異なっても

する

健康診断の対象

事業者ごと

しない

労働時間は通算されるのに、健診の対象の判定は事業者ごとです。 この非対称が、単発の働き方を制度の隙間に置きます。

社会保険の側の構造は「看護師の単発バイトと社会保険・雇用保険・有給休暇」にまとめています。

この記事では、解決策を示しません

この状態を制度がどう扱うべきかは、この記事で論じません。 現に起きうる構造として指摘するにとどめます。

そのうえで、個人として何ができるかは次の章で扱います。

5. 自分で受ける場合

費用は自己負担になります

事業者の義務として行われる健診は、費用も事業者が負担する形です。 対象にならない場合、自分で受けるなら費用は自己負担になります。

金額はこの記事では書きません。 医療機関と検査の項目によって変わるためです。

選択肢は3つあります

選択肢

対象・条件

市区町村が実施する健診

自治体によって内容と対象が違う。国民健康保険の加入者向けのものがある

特定健康診査

40歳以上が対象。高齢者の医療の確保に関する法律にもとづき、保険者が実施する

医療機関で自費の健診

項目を自分で選べる。費用は全額自己負担

特定健康診査は40歳以上です

2つ目について補足します。特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律にもとづいて保険者が実施するもので、対象は40歳以上です。

40歳未満の場合、この枠組みは使えません。 住んでいる市区町村が実施している健診があるかを確認してください。

検査項目については「看護師の健診バイト(単発)」で扱っています。実施する側として関わることが多い分野ですが、受ける側として何が含まれるかを知っておくのも役に立ちます。

結果を持っているのが誰か、が変わります

自分で受ける形には、費用の面での不利と、書類の面での有利があります。

事業者が実施する健診

自分で受ける健診

費用

事業者が負担する形

自己負担

結果の保管

事業者が定められた期間保存する

自分の手元だけ

提示を求められたとき

前の職場に問い合わせる必要が出ることがある

自分で出せる

事業者が実施する健診については、厚生労働省のパンフレットが、結果を 「それぞれの健康診断によって定められた期間、保存しておかなくてはなりません」 としています。事業者の側に記録が残る形です。(保存すべき年数は、同パンフレットが具体的に示していないため、この記事では扱いません。)

自分で受けた場合、結果を持っているのは自分だけです。 これは管理の手間が増えるということでもあり、単発先から提示を求められたときに、自分で出せるということでもあります。 退職して数年たってから前の職場に問い合わせる形と比べれば、手元にあるほうが早く済みます。

受け取った書類は、検査を受けた日付が読める形で保管しておいてください。 提示を求められる場面では、いつのものかを指定されることがあります(6章)。

家族の扶養に入っている場合

健康保険の被扶養者になっている場合、家族の勤務先の保険者が実施する健診の対象になることがあります。

保険者によって内容が違うため、加入している健康保険の保険者に確認してください。 保険証や、家族の勤務先から配布されている案内に問い合わせ先が記載されています。

この章の出典

6. 本業がある場合

本業で受けるのが基本です

本業で常勤として働いている場合、その職場が実施する健診の対象になっている形が通常です。 非常勤の場合は、2章の要件に当たるかどうかで変わるため、勤務先に確認してください。

対象になっている場合、単発の勤務のために追加で健診を受ける必要は通常ありません。

なお、本業に単発の勤務を伝える必要があるかは、健診とは別の論点です。 就業規則の副業に関する定めをどう読むかについては「看護師の副業禁止はどこまで有効?」にまとめています。

ただし、単発先が結果の提示を求めることがあります

注意しておきたいのはこちらです。求人の条件として、健診の結果や抗体価の提示を求められることがあります。

求められる可能性があるものを挙げると、次のようなものです。

求められうるもの

補足

健康診断の結果

いつのものかを指定されることがある

抗体価の証明

麻しん・風しんなどについて求人が指定する

胸部エックス線の結果

施設の方針による

これは施設が健診を実施するという話ではなく、応募の条件としての確認です。 何を求められるかは求人によって違います。

時期がずれることがあります

本業で健診を受けていても、求められる時期と合わないことがあります。

定期健診は1年以内ごとに1回です(1章)。本業の健診が毎年4月に行われているとして、3月に単発の応募をすると、手元にあるのは11か月前の結果です。求人が「1年以内のもの」を求めているなら足りますが、「6か月以内のもの」を求めているなら足りません。

求人が求める時期は、本業の健診の周期とは無関係に決まります。 応募のたびに合うわけではありません。

そのため、手元の結果がいつのものかを把握しておくことが、実務的には効きます。 応募の前に確認できることです(7章)。

結果を渡すということは、健康情報を渡すこと

健診の結果は、自分の健康に関する情報です。渡す前に、提出先と用途を確認してください。

労働安全衛生法104条は、事業者が労働者の心身の状態に関する情報を収集し、保管し、または使用するにあたっての原則を定め、情報を適正に管理するために必要な措置を講じることを求めています。

この枠組みについては「産業看護師(企業の健康管理室)の仕事」で触れています。

この章の出典

7. 応募前に確認すること

確認すること

なぜ

健康診断の結果の提示を求められるか

求人の条件として指定されることがある(6章)

求められる場合、いつのものか

「1年以内」などの指定があることがある

抗体価の証明を求められるか

麻しん・風しんなどについて指定する求人がある

提示したものの扱い

提出先と用途を確認する(6章)

求人票にこれらが書かれていない場合、応募前の問い合わせの対象です。 当日になって「結果を持ってきていない」と分かると、勤務そのものができない場合があります。

応募前の確認事項の全体は「初めての看護師単発バイト」にまとめています。

タメシビで想定していること

タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。2026年内の開始に向けて準備を進めています。

この論点については、次のことを考えています。

  • 求人票に、健診結果や抗体価の提示を求めるかどうかを書く
  • 求める場合は、何をいつのものとして求めるかを明示する

当社が健康診断を実施するという趣旨ではありません。 健診の実施は、事業者の義務として行われるものです。当社にできるのは、当日になって分かることを、応募の段階で分かる形にしておくことだと考えています。

具体的な方法はサービス開始時にお知らせします。

よくある質問

単発で働く場合、健康診断は受けられないのですか

施設が実施する形にはならないのが通常です。 雇入時健診も定期健診も、対象が「常時使用する労働者」とされているためです(1章)。自分で受ける場合の選択肢は5章にまとめました。

「常時使用する労働者」とは、どういう人ですか

短時間労働者については、通達が①契約期間の要件と、②週の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上であることの両方を要件としています(2章)。単発は、労働時間を見るより前に①で外れる形になります。

ネットで「4分の3以上」と書かれていました

その数値は通達の②にあたるものです(2章)。ただし①の契約期間の要件が先に置かれているので、4分の3だけを見て判断する形にはなりません。 個別の事案の判定は労働基準監督署にご確認ください。

社会保険でも「4分の3」を見ました。同じ基準ですか

別の基準です。 社会保険の側は、短時間労働者が適用の対象になる要件のひとつとして「通常の労働者の4分の3未満であること」が出てきます。健診の側は「4分の3以上」で対象に含まれる形で、向きも逆です(2章)。

夜勤をしているので6か月ごとに受けたいのですが

特定業務従事者の健康診断は、その業務に常時従事する労働者を対象としています(3章)。単発で月に数回の夜勤という形では、対象にならないのが通常です。自分で受ける場合は5章をご覧ください。

費用は誰が負担するのですか

事業者の義務として行われる健診は、費用も事業者が負担する形です。対象にならない場合、自分で受けるなら自己負担になります(5章)。

40歳未満です。市区町村の健診は受けられますか

自治体によって違います。 特定健康診査は40歳以上が対象なので、それより若い場合は、住んでいる市区町村が実施している健診があるかを確認してください(5章)。

健康診断を受けていないと、単発の応募はできないのですか

求人によります。 提示を求める求人と、求めない求人があります(6章)。求人票に書かれていない場合は、応募前の問い合わせの対象です(7章)。

毎回契約を結ぶなら、毎回雇入時の健診があるのではないですか

条文は、雇い入れの回数ではなく、どういう労働者かで書かれています。 労働安全衛生規則43条が定めているのは「常時使用する労働者を雇い入れるときは」です(1章)。通達の①も、契約が1年以上続く見込みかどうかを見る形になっています(2章)。

同じ施設に繰り返し入っています。対象になりますか

判定が必要になる場面です。 通達の①は、更新により1年以上使用されている者を含めています(2章)。勤務の形が変わってきたと感じたら、労働基準監督署に確認してください。

結果の原本を渡すよう言われたら

用途と返却の有無を確認してください。 健診の結果は自分の健康に関する情報です(6章)。何のために必要で、勤務の後どう扱われるのかを聞いておくことになります。

本業で受けた結果を単発先に出してもいいですか

求められた場合は、提出先と用途を確認してから渡してください。 健診の結果は自分の健康に関する情報です(6章)。

常勤を辞めて単発だけにしました。健診はどうなりますか

前の職場が実施していた健診は、退職後はありません。 自分で受けるか、加入する健康保険の保険者や市区町村の健診を確認することになります(5章)。退職後の保険の手続きについては「看護師の単発バイトと社会保険・雇用保険・有給休暇」の2章にまとめています。

まとめ

雇入時の健診も定期健診も、対象は「常時使用する労働者」です。 1日だけの勤務では、通常どちらも行われません。社会保険が適用除外になるのと同じ構造で、継続して使われることを前提に組まれた仕組みから、単発は外れます。

その範囲は、条文にもパンフレットにも定義がなく、通達に示されています。 短時間労働者については、①期間の定めのない契約か1年以上使用される見込みがあること、②週の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上であること、の両方が要件とされています。広く紹介されている「4分の3」は②のほうで、①の契約期間の要件が先に置かれています。

単発は、労働時間を見るより前に①で外れる形になります。逆に言えば、同じ施設に繰り返し入って更新が積み重なる場合は、①の読み方が問題になりえます。 そこが確認の時点です。

深夜業を含む業務は6か月以内ごとに1回とされていますが、対象はその業務に常時従事する労働者です。単発で夜勤を重ねても、対象になるとは限りません。

単発の構造的な問題は、複数の施設で働いても、施設ごとに見ればどこも「常時使用する労働者」にあたらない点です。合計すれば非常勤と変わらない時間を働いていても、どの施設の義務にもならない状態が生まれます。労働時間は通算されるのに、健診の対象の判定は事業者ごとという非対称です。

自分で受ける場合、費用は自己負担になります。市区町村が実施する健診、40歳以上なら特定健康診査、医療機関での自費の健診という選択肢があります。

本業がある場合は本業で受けるのが基本です。ただし単発先が結果や抗体価の提示を求めることがあります。 求人票に書かれていなければ、応募前の問い合わせの対象です。求人が求める時期と、本業の健診の周期は無関係に決まります。 手元の結果がいつのものかは、把握しておいて損がありません。

迷う場合の窓口は次のとおりです。

内容

窓口

自分が健診の対象になるか

労働基準監督署

市区町村が実施する健診

住んでいる市区町村

保険者が実施する健診・特定健康診査

加入している健康保険の保険者

求人で求められる書類

応募先の施設

単発勤務そのものの進め方は「看護師の単発バイト完全ガイド」にまとめています。

この記事の主な一次情報

法令

行政資料

※法令とパンフレットは2026年9月29日、通達の抜粋は2026年9月30日に確認。法令および行政の取扱いは改正されることがあります。この記事は条文と公的資料の紹介であり、個別の事案について健康診断の対象の可否を判断するものではありません。通達については、労働局が公開している抜粋を参照しており、全文は確認していません。対象になるかどうかは労働基準監督署でご確認ください。健診の費用、市区町村が実施する健診の内容についても扱っていません。

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