ワクチン接種の看護師バイトとは、自治体の集団接種会場や、職場・学校などで行われる予防接種の実施日に、受付から問診票の確認、接種、接種後の観察までのどこかを担当する仕事です。 医療機関で日常的に行う予防接種とは別に、会場を設けて集団を対象に行う形があり、実施日に限った募集が出ることがあります。
この仕事で最初に迷うのは、「看護師が注射を打つのか」という点です。求人の名前は同じ「ワクチン接種」でも、看護師が接種する会場と、医師が接種し看護師が補助する会場があります。
この記事の答えを先に書きます。看護師が注射を打ってよいかどうかは法律の側に答えがあり、実際に打つのか補助なのかは会場の体制で決まります。 予防接種法、予防接種実施規則、厚生労働省の定期接種実施要領、そして新型コロナワクチン接種のときの厚生労働省の資料から、その構造を整理しました。
この記事の結論
- 予防接種の求人が出る場は、定期の予防接種(市町村長が行う)、臨時の予防接種(都道府県知事が行う)、予防接種法に基づかない接種(いわゆる任意接種)の3つの枠に分かれます。要領は個別接種を原則とし、集団接種も差し支えないとしています(1章)
- 看護師等によるワクチン接種(注射)は、厚生労働省の資料で「医師又は医師の指示の下に看護師等…が行う必要があるもの(医行為、診療の補助行為に該当)」と整理されています。一方、定期接種実施要領の班編制では、看護師は「補助者」として置かれています(2章)
- 「打つ」のか「補助」なのかは会場で違う——これがこの記事の整理です。求人票で最初に確認する点です(2章・7章)
- 予診は医師の診察です。 法7条が健康状態を調べることを求め、規則4条がその方法を「問診、検温及び診察」と定めています(3章)
- 要領は、接種後に「接種後ある程度の時間は接種会場に止まらせること」と、即時性全身反応に対応する薬品及び用具等を備えることを求めています。看護師が観察の持ち場に就く根拠がここにあります(4章)
読みたい箇所から確認する
- 1. ワクチン接種の求人が出る場は、3つの枠に分かれる
- 2. ワクチンを「打つ」のは誰か——法律の側と、会場の側
- 3. 予診は医師の診察。看護師の問診票確認は、その前段
- 4. 接種後の観察と、救急の備え
- 5. 接種の方法は、規則と添付文書で決まる
- 6. 1日の流れ(集団接種会場)
- 7. 求人票で確認したいこと
- 8. タメシビで想定していること
- よくある質問
1. ワクチン接種の求人が出る場は、3つの枠に分かれる
先に答えを置きます。予防接種には、予防接種法にもとづいて市町村長や都道府県知事が行うものと、法にもとづかずに行われるものがあります。 どの枠の接種かで、実施する主体と、守るべき手順の根拠が変わります。
予防接種法が定めている2つ
予防接種法5条1項は、定期の予防接種について次のように定めています。
市町村長は、A類疾病及びB類疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であって政令で定めるものに対し、保健所長…の指示を受け期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならない。
実施する主体は市町村長です。 乳幼児の定期接種や、高齢者のインフルエンザの接種などがここに入ります。
同法6条1項は、臨時の予防接種について定めています。
都道府県知事は、A類疾病及びB類疾病のうち厚生労働大臣が定めるもののまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、臨時に予防接種を行い、又は市町村長に行うよう指示することができる。
こちらの主体は都道府県知事です。
法に基づかない接種(いわゆる任意接種)
職場で行うインフルエンザの予防接種や、渡航前の接種など、予防接種法の定期・臨時のどちらにも当たらない接種があります(いわゆる任意接種)。実施する主体は医療機関や企業の側で、予防接種法の定期・臨時の規定は、この接種を対象にしていません。
ただし、看護師が接種に関わるときの根拠(2章)は、どの枠でも同じです。 保健師助産師看護師法の側にあるためです。
個別接種が原則、集団接種も差し支えない
定期接種実施要領は、接種の場所について次のように書いています。
定期接種については、適正かつ円滑な予防接種の実施のため、市町村長の要請に応じて予防接種に協力する旨を承諾した医師が医療機関で行う個別接種を原則とすること。ただし、予防接種の実施に適した施設において集団を対象にして行うこと(集団接種)も差し支えない。
医療機関での個別接種が原則で、集団接種は「差し支えない」という位置づけです。 単発の求人として目につくのは、後者の集団接種会場と、職場や学校で実施日を設けて行う接種です。
枠 | 実施の主体 | 求人が出る場の例 |
|---|---|---|
定期の予防接種(法5条) | 市町村長 | 自治体の集団接種会場 |
臨時の予防接種(法6条) | 都道府県知事(市町村長に指示する場合も) | 自治体の集団接種会場 |
法に基づかない接種(任意接種) | 医療機関・企業など | 職場での実施日、学校、医療機関 |
医療機関で日常の処置として行う予防接種は「クリニック外来の看護師の仕事内容」、企業の健康管理室が実施日に行う接種は「産業看護師(企業の健康管理室)の仕事」にまとめています。この記事は、集団接種会場を軸にしています。
この章の出典
- 予防接種法(昭和23年法律第68号)第2条・第5条・第6条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79015000&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省「定期接種実施要領」第1総論 5 https://www.mhlw.go.jp/content/001238891.pdf
2. ワクチンを「打つ」のは誰か——法律の側と、会場の側
先に答えを置きます。看護師がワクチンを注射することは、医師の指示の下で行う診療の補助として法律上位置づけられています。そのうえで、実際にその会場で看護師が打つのか、医師が打って看護師が補助するのかは、会場の体制で決まります。
法律の側
保健師助産師看護師法37条は、次のように定めています。
保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない
厚生労働省は、新型コロナワクチンの接種体制を検討した資料(令和3年6月4日)で、ワクチン接種(注射)を次のように整理しています。
法律上、医師又は医師の指示の下に看護師等(保健師、助産師、看護師、准看護師)が行う必要があるもの(医行為、診療の補助行為に該当)→ワクチン接種(注射)
医師の指示の下で看護師等が行う行為として、注射が挙げられています。 看護師が打ってよいかという問いへの、法律の側の答えはここです。
会場の側
一方、定期接種実施要領は、A類疾病の定期接種を集団接種で実施する際の従事者について、次のように書いています。
予診を行う医師1名及び接種を行う医師1名を中心とし、これに看護師、保健師等の補助者2名以上及び事務従事者若干名を配して班を編制し、各班員が行う業務の範囲をあらかじめ明確に定めておくこと
ここでは「接種を行う医師」が置かれ、看護師は「補助者」です。 続けて、班の中心となる医師があらかじめ班員の分担する業務について必要な指示及び注意を行い、各班員はこれを遵守すること、とも書かれています。
つまり、どういうことか
看護師の位置 | |
|---|---|
検討会資料(令和3年)の整理 | 医師の指示の下で接種(注射)を行う |
定期接種実施要領の班編制 | 医師が接種を行い、看護師は補助者 |
同じ「ワクチン接種」でも、看護師が打つ会場と、医師が打ち看護師が補助する会場がある。 2つの資料が別の体制を書いていることから、この記事はそう整理します。どちらが正しいという話ではなく、どちらの体制の会場かを、応募の前に知っておくということです。
打つ会場であれば、筋肉内注射や皮下注射を続けて行う手技が業務の中心になります。補助の会場であれば、問診票の確認、接種の介助、接種後の観察が中心です。 求人票にどちらとも書かれていない場合は、問い合わせで確認してください(7章)。
この章の出典
- 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第37条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を推進するための各医療関係職種の専門性を踏まえた対応の在り方等について」(第24回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会、令和3年6月4日) https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000788079.pdf
- 厚生労働省「定期接種実施要領」第1総論 13(4) https://www.mhlw.go.jp/content/001238891.pdf
3. 予診は医師の診察。看護師の問診票確認は、その前段
先に答えを置きます。接種できるかどうかを調べる予診は、問診、検温及び診察によって行うと規則が定めており、診察を行うのは医師です。看護師が問診票を確認する場面は、その前段に当たります。
法7条と規則4条
予防接種法7条は、次のように定めています。
市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種等を行うに当たっては、当該定期の予防接種等を受けようとする者について、厚生労働省令で定める方法により健康状態を調べ、当該定期の予防接種等を受けることが適当でない者として厚生労働省令で定めるものに該当すると認めるときは、その者に対して当該定期の予防接種等を行ってはならない。
その「厚生労働省令で定める方法」を、予防接種実施規則4条がこう定めています。
法第七条に規定する厚生労働省令で定める方法は、問診、検温及び診察とする。
問診、検温、そして診察。 要領はこれを「予診」と呼び、「問診、検温、視診、聴診等の診察を接種前に行い、予防接種を受けることが適当でない者又は予防接種の判断を行うに際して注意を要する者に該当するか否かを調べること」としています。
看護師が関わる部分
集団接種会場では、問診票の記入内容の確認や検温を、接種の前の持ち場で看護師が担当することがあります。2章の班編制で「予診を行う医師」が置かれていることからも分かるとおり、診察と、接種できるかどうかの判断は医師が行います。 看護師の確認は、医師の予診に渡す前の段階です。
この枠組みでは、「今日は見送りましょう」という判断は医師の予診に置かれています。 気になる点があれば医師の予診に回す——それが看護師側の動きになります。
献血の採血基準との違い
同じく「健康な人に針を刺す」仕事である献血では、献血者から採血してよいかどうかを採血基準(年齢・体重・血色素量など)に照らして確認します。こちらは、基準に照らして見送る判断が仕組みの一部になっています。
予防接種(この記事) | 献血 | |
|---|---|---|
根拠になる法律 | 予防接種法、予防接種実施規則 | 血液法(安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律) |
接種・採血の可否を調べる方法 | 問診、検温及び診察(規則4条) | 問診、血圧・体温の確認、血液の検査、採血基準(年齢・体重・血色素量など) |
「見送り」の判断 | 医師の予診で判断 | 採血基準と医師の問診 |
献血の仕組みは「献血の看護師の仕事内容」、健診の採血は「看護師の健診バイト」にまとめています。
説明と同意
規則5条の2第1項は、接種に当たって次のことを求めています。
予防接種を行うに当たっては、あらかじめ被接種者又はその保護者に対して、予防接種の有効性及び安全性並びに副反応について当該者の理解を得るよう、適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。
文書による同意が、接種の前に要ります。 集団接種会場で予診票の署名欄を確認する作業は、この規定に対応しています。
この章の出典
- 予防接種法(昭和23年法律第68号)第7条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79015000&dataType=0&pageNo=1
- 予防接種実施規則(昭和33年厚生省令第27号)第4条・第5条の2 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79018000&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省「定期接種実施要領」第1総論 10(1) https://www.mhlw.go.jp/content/001238891.pdf
4. 接種後の観察と、救急の備え
接種が終わった後に、看護師が担当する持ち場があります。 要領と規則が、その根拠を置いています。
接種後ある程度の時間は会場に止まらせる
定期接種実施要領は、医療機関以外の場所で定期接種を実施する際の注意事項として、経過観察措置を次のように書いています。
市町村長は、予防接種が終了した後に、短時間のうちに、被接種者の体調に異変が起きても、その場で応急治療等の迅速な対応ができるよう、接種を受けた者の身体を落ち着かせ、接種した医師、接種に関わった医療従事者又は実施市町村の職員等が接種を受けた者の身体の症状を観察できるように、接種後ある程度の時間は接種会場に止まらせること。
「接種に関わった医療従事者…が…観察できるように」——観察の持ち場に看護師が就く根拠です。何分とは書かれていません。具体的な時間と、観察中に声をかける相手は、会場の手順で決まっています。
救急の備え
同じ要領は、接種医療機関及び接種施設の準備として、次のように求めています。
予防接種直後の即時性全身反応等の発生に対応するために必要な薬品及び用具等を備え、又は携行すること。
即時性全身反応への備えが、会場側の準備として置かれています。 看護師として確認したいのは、その薬品と用具がどこにあり、使う判断を誰が下し、搬送が必要な場合に誰がどこへ連絡するかです(7章)。
接種後の注意事項を知らせる
予防接種実施規則7条は、接種に当たって被接種者またはその保護者に知らせるべき事項を定めています。
一 高熱、けいれん等の症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けること。
二 医師の診察を受けた場合には、速やかに当該予防接種を行った都道府県知事又は市町村長に通報すること。
三 前二号に掲げる事項のほか、接種後の安静その他接種後に特に注意すべき事項
接種後に渡す案内の内容は、ここに根拠があります。 紙の案内で渡す会場があり、看護師が口頭で補う場合の言い方は会場の手順によります。
この記事では、副反応の内容や、どの症状でどう対応するかを書きません。 添付文書と会場の手順で確認してください。
この章の出典
- 厚生労働省「定期接種実施要領」第1総論 7(3)・14(1)ア https://www.mhlw.go.jp/content/001238891.pdf
- 予防接種実施規則(昭和33年厚生省令第27号)第7条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79018000&dataType=0&pageNo=1
5. 接種の方法は、規則と添付文書で決まる
接種の方法(皮下か筋肉内か)と接種量は、ワクチンごとに決まっています。
予防接種実施規則8条は、臨時の予防接種に係る接種方法及び接種量について、規則の次章以降に定めるところを標準とし、「被接種者の年齢、身体の状況、既に受けた当該予防接種の回数等に応じて決定しなければならない」と定めています。定期の予防接種についても、ワクチンごとの章で接種方法と接種量が定められています。
この記事では、ワクチンごとの接種量や接種間隔の数値を書きません。 ワクチンによって違い、規則は改正されるためです。会場で扱うワクチンの接種方法は、添付文書と会場の手順で確認してください。
打つ会場に入る場合に確認したい点(扱うワクチンと接種方法、充填、件数)は、7章にまとめています。
筋肉内注射の経験が少ない場合は、応募の前にその旨を伝えて、会場での説明や練習の機会があるかを確認してください。 手技の内容は、この記事では扱いません。
この章の出典
- 予防接種実施規則(昭和33年厚生省令第27号)第8条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79018000&dataType=0&pageNo=1
6. 1日の流れ(集団接種会場)
集団接種会場は、受付から接種後の観察までが一連の流れになっています。看護師は、この流れのどこかの持ち場を担当します。
受付
本人確認、予診票の確認(記入漏れ・署名)
↓
予診の前の確認
問診票の内容の確認、検温(3章)
↓
医師の予診
診察、接種の可否の判断
↓
接種
打つ会場:看護師が接種(2章)
補助の会場:医師が接種。看護師は介助・物品
↓
接種後の観察
会場に止まってもらい、状態を見る(4章)
↓
退出
接種後の注意事項の案内(規則7条)どの持ち場を担当するかは、その日の班編制で決まります。 要領が「各班員が行う業務の範囲をあらかじめ明確に定めておくこと」としているとおり(2章)、持ち場は始業前に確認できる事項です。示されない場合は、こちらから確認してください。
職場や学校での実施日
企業や学校で実施日を設けて行う接種も、流れは同じです。違いは、医師の人数と会場の広さ、1日に受ける人数です。看護師が接種を担当するか補助かは、ここでも会場によります。 求人票で確認してください。
7. 求人票で確認したいこと
この記事で見てきたことを、求人票を読むときと問い合わせのときに使える形にしたものです。最初の1点が核です。
接種について(核になる確認)
- □ 看護師が接種(注射)を担当するか、医師が接種し看護師は補助か(2章)
- □ 打つ場合、扱うワクチンと接種方法(皮下か筋肉内か)(5章)
- □ シリンジへの充填を誰が行うか(充填済みで渡されるのか、自分で行うのか)。ワクチンの保管と、充填後の扱いを誰が管理するか
- □ 接種の記録(接種したワクチンのロット番号など)をどう残すか
- □ 1時間あたり、1日あたりの接種の件数の目安
体制について
- □ 医師の人数と、予診を行う医師が会場にいるか(3章)
- □ 即時性全身反応への薬品・用具がどこにあり、使う判断を誰が下すか(4章)
- □ 搬送が必要な場合の連絡先と、誰が連絡するか
- □ 針刺しが起きた場合の手順(複数施設を行き来するときの感染対策)
持ち場について
- □ 接種の対象者(乳幼児か、学童か、成人・高齢者か。介助の重さが変わります)
- □ 受付・予診前の確認・接種・観察のどこを担当するか
- □ 接種の持ち場に交代があるか(同じ姿勢で続ける時間)(6章)
- □ 接種後の観察の持ち場で、声をかける相手と、観察の時間
契約について
- □ 雇用主が誰か(自治体か、委託を受けた医療機関や事業者か、企業か)
- □ 雇用契約か、業務委託か(業務委託と雇用契約の違い)
- □ 労働条件が書面で明示されるか(単発バイトに労働条件通知書はある?)
- □ 応募条件が「看護師のみ」か「准看護師可」か
- □ 集合時間と、設営・片付けが勤務時間に含まれるか
集団接種会場の求人は、雇用主が自治体そのものではなく、委託を受けた医療機関や事業者である場合があります。 誰と契約するかで、労働条件の確認先と、事故が起きたときの報告先が変わります(「看護師が単発で入った日に事故・インシデントが起きたら」)。
求人をどこで探すかは「看護師の単発の求人の探し方」、当日の持ち物と流れは「初めての看護師単発バイト」、施設の種類ごとの業務の違いは「看護師の単発バイトの仕事内容」、単発勤務の全体像は「看護師の単発バイト完全ガイド」にまとめています。
8. タメシビで想定していること
タメシビは、看護師・准看護師が、施設と直接雇用契約を結んで1日単位で働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には、業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示する方針です。
ワクチン接種のように、同じ求人名で業務の中身が会場ごとに違う仕事では、「接種を担当するか、補助か」が応募の前に分かっていることが要ります。 その情報が求人票で確認できる形を整えることを、サービスの前提に置いています。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、どの地域・どの種類の求人が掲載されるかは、これから決まります。現時点でワクチン接種に関わる求人の掲載をお約束するものではありません。
よくある質問
看護師がワクチンの注射を打ってよいのですか
医師の指示の下で行う診療の補助として、法律上位置づけられています(2章)。厚生労働省の資料は、ワクチン接種(注射)を「医師又は医師の指示の下に看護師等…が行う必要があるもの」と整理しています。そのうえで、実際にその会場で看護師が打つかどうかは、会場の体制によります。
筋肉内注射の経験が少ないのですが、応募できますか
必要な経験は求人が示すものです。 この記事で判定することはしません。打つ会場であれば手技が業務の中心になるので、応募の前に経験の程度を伝え、会場での説明や練習の機会があるかを確認してください(5章)。補助の会場であれば、問診票の確認や観察が中心です。
「今日は接種できません」と伝えるのは看護師ですか
接種できるかどうかを判断するのは、医師の予診です(3章)。看護師の問診票確認は、その前の段階です。気になる点があれば医師の予診に回してください。献血の「見送り」の判断と位置づけが違う点は、3章の表にまとめています。
接種後に体調が変わった人がいたら、誰が対応するのですか
要領は、即時性全身反応に対応する薬品・用具を会場に備えることと、接種に関わった医療従事者が観察できるよう会場に止まらせることを求めています(4章)。その薬品を使う判断を誰が下し、搬送の連絡を誰がするかは会場の手順で決まっています。応募の前に確認してください(7章)。
新型コロナのときは、看護師以外の職種も打っていたと聞きました
当時、看護師以外の職種による接種について、厚生労働省の検討会で特例としての整理が行われました。 看護師・准看護師は、その整理の中で「法律上、医師又は医師の指示の下に…行う必要があるもの」に該当する側として挙げられています(2章)。他の職種についての整理の中身は、この記事では扱いません。
職場で行うインフルエンザの予防接種は、予防接種法の対象ですか
職場で実施日を設けて行う接種は、定期・臨時のどちらにも当たらない、法に基づかない接種(いわゆる任意接種)に当たります(1章)。この場合、予防接種法の定期・臨時の規定はこの接種を対象にしていませんが、看護師が接種に関わる根拠(保健師助産師看護師法37条)は同じです。企業の健康管理室が行う接種は「産業看護師(企業の健康管理室)の仕事」にまとめています。
子どもの接種で、保護者の同意はどう確認するのですか
規則5条の2が、被接種者またはその保護者への説明と、文書による同意を求めています(3章)。予診票の署名欄が、その確認に当たります。保護者と連絡がとれない場合の扱いも同条に定めがありますが、この記事では扱いません。
准看護師でも応募できますか
募集の条件によります。厚生労働省の資料は「看護師等(保健師、助産師、看護師、准看護師)」と准看護師を含めて整理しています(2章)。保健師助産師看護師法6条は、准看護師を「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」業を行う者と定めており、指示を受ける相手が看護師とは異なります。応募条件を確認してください(「准看護師の単発バイト」)。
まとめ
ワクチン接種の看護師バイトは、集団接種会場や職場・学校の実施日に、受付から接種後の観察までのどこかを担当する仕事です。
看護師が注射を打ってよいかという問いには、法律の側に答えがあります。 医師の指示の下で行う診療の補助として位置づけられています。そのうえで、その会場で看護師が打つのか、医師が打ち看護師が補助するのかは、会場の体制で決まります。 定期接種実施要領の班編制では看護師は補助者、新型コロナ接種のときの資料では看護師等が接種を行う側——2つの資料が別の体制を書いていることから、この記事はそう整理しました。
予診は医師の診察です。 問診、検温及び診察という方法を規則が定め、接種の可否は医師が判断します。看護師の問診票確認はその前段です。
接種後の観察と救急の備えは、要領が会場側に求めている事項です。 観察の持ち場に看護師が就くとき、薬品と用具の場所、使う判断を下す人、搬送の連絡先を始業前に確認してください。
求人票で最初に見るのは、接種を担当するか、補助かです。
この記事の主な一次情報
法令
- 予防接種法(昭和23年法律第68号)第2条・第5条・第6条・第7条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79015000&dataType=0&pageNo=1
- 予防接種実施規則(昭和33年厚生省令第27号)第4条・第5条の2・第7条・第8条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79018000&dataType=0&pageNo=1
- 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第6条・第37条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203
通知・公的資料
- 厚生労働省「定期接種実施要領」(「予防接種法第5条第1項の規定による予防接種の実施について」平成25年3月30日 健発0330第2号 の別添。令和6年3月29日改正版) https://www.mhlw.go.jp/content/001238891.pdf
- 「予防接種法第5条第1項の規定による予防接種の実施について」の一部改正について(令和7年3月31日 感発0331第19号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9060&dataType=1&pageNo=1
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を推進するための各医療関係職種の専門性を踏まえた対応の在り方等について」(第24回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会、令和3年6月4日) https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000788079.pdf
※いずれも2026年10月2日に確認。法令・通知は改正されることがあります。この記事は条文・通知・公的資料の紹介であり、個別の会場の体制や、個別の接種の可否について判断を示すものではありません。接種の手技、副反応の内容、ワクチンごとの接種量・間隔は扱っていません。
タメシビの先行登録
タメシビは、看護師が1日単位で施設と直接雇用契約を結んで働けるスポット勤務サービスです。応募後、施設が内容を確認して勤務が確定します(事前の面接・書類選考はありません)。求人には業務内容、必要な経験、持ち物、当日の流れを明示し、働いてから、その職場で続けるかをご自身で選べます。看護師・准看護師の登録料・利用料は無料です。
タメシビは2026年内のサービス開始に向けて準備中で、現在はLINEで先行登録を受け付けています。現時点で求人への応募を受け付けているものではありません。求人が公開されたときにお知らせを受け取りたい方は、先行登録をご利用ください。